巽聖歌(読み)たつみせいか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「巽聖歌」の意味・わかりやすい解説

巽聖歌
たつみせいか
(1905―1973)

童謡詩人、歌人。岩手県生まれ。本名野村七蔵。北原白秋に師事して『赤い鳥』に詩、童謡を発表。「水口」は白秋の絶賛を得た。早くから与田凖一(よだじゅんいち)と親交を結び、上京後は、凖一、佐藤義美(よしみ)らと、戦前戦後にかけて童謡の一時代をつくる。戦後は児童詩教育にも力を注ぎ、新美南吉(にいみなんきち)の作品を世に広めることにも努めた。童謡「たきび」は有名で、『巽聖歌作品集』2巻がある。『多磨(たま)』に拠(よ)る歌人でもあった。

鶴見正夫

『『巽聖歌作品集』全2巻(1974・同書刊行会)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「巽聖歌」の解説

巽聖歌 たつみ-せいか

1905-1973 大正-昭和時代の童謡詩人,歌人。
明治38年2月12日生まれ。「赤い鳥」その他に詩,童謡を投稿,北原白秋に師事する。与田凖一と同人誌「乳樹」(のち「チチノキ」)を創刊,第二次大戦中に「新児童文化」を編集する。戦後は児童詩教育や新美南吉の紹介につとめた。童謡「たきび」の作詞者。昭和48年4月24日死去。68歳。岩手県出身。本名は野村七蔵。作品に童謡集「春の神様」「おもちゃの鍋」など。

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