巴字(読み)はのじ

精選版 日本国語大辞典 「巴字」の意味・読み・例文・類語

は‐の‐じ【巴字】

〘名〙
① (「巴」の字の篆書(てんしょ)体の形から) ともえの形。物がぐるぐる回るさまにいう語。
※和漢朗詠(1018頃)上「水は巴の字を成す初の三日(さんじつ) 源は周年より起って後幾ばくの霜ぞ〈藤原篤茂〉」
② (水が①の形にめぐり流れるところから) 曲水、また、曲水の宴をいう語。はのじの水。
※広本拾玉集(1346)四「思ひ出でてねをのみぞなく行く水にかきし巴の字の末もとほらで」

は‐じ【巴字】

〘名〙 「巴」の字。また、その形。水の流れの曲折するさまにたとえる。
※江吏部集(1010‐11頃)上・三月三日侍左相府曲水宴同賦因流汎酒応教「伴鄭泉而得水路、酒徳頌之文、因巴字」 〔王維‐送崔五太守詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「巴字」の読み・字形・画数・意味

【巴字】はじ

巴の字のように水流が曲折する。唐・王維〔崔五太守を送る〕詩 霧中樹、刀州(益州)に出で 天際澄江、巴字に回(めぐ)る

字通「巴」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android