差詰(読み)さしずめ

精選版 日本国語大辞典 「差詰」の意味・読み・例文・類語

さし‐ずめ ‥づめ【差詰】

[1] 〘名〙 (形動)
① さしつまったこと。また、そのさま。究極のところ。のっぴきならない状態。どんづまり。〔文明本節用集(室町中)〕
浮世草子傾城禁短気(1711)五「さしづめのこんな時に御迷惑なされます」
② 直接に迫ること。また、そのさま。
※浮世草子・好色盛衰記(1688)三「何とやらあはれに思はれ、さしづめに問よれば」
[2] 〘副〙
① あてはまるものをあれこれ考えてみて、落ち着くところは。つまるところ。結局。畢竟(ひっきょう)。さしむき。
浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)下「供の又平日がら笠、さしづめ香車は女房也」
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の顔「それから先きの事はさしづめ神のみ知る事と」
② さしあたって。とりあえず。当面。さしむき。
腕くらべ(1916‐17)〈永井荷風〉三「この広い東京中にさしづめ尋ねべき家は一軒もない」

さし‐つま・る【差詰】

〘自ラ四〙 (「さし」は接頭語)
① 望ましくない状況に追いこまれて、どうしたらよいかわからなくなる。つまる。窮する。
評判記・役者評判蚰蜒(1674)熊本文右衛門「舞台〈略〉多くふみたるよしなればさしあひ万さしつまる事なく」
② その場に迫る。切迫する。さしせまる。
※相州文書‐一六・永正一〇年(1513)四月七日・足利政氏感状「敵指詰之時、於三崎要害、励戦功疵之条、神妙也」
※浮世草子・世間胸算用(1692)三「それそれの家業外になり行き、さしつまりて迷惑する事也」

さし‐づめ【差詰】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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