巫(漢字)

普及版 字通 「巫(漢字)」の読み・字形・画数・意味


7画

[字音]
[字訓] みこ・かんなぎ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[その他]

[字形] 会意
工+両手(左右の手)。工は神につかえるときに操る呪具。神をもとめることを左右といい、左は工を操る形。左右を重ねた形は(尋)、神の所在を尋ねる意。神隠れの隠の旧字は隱、呪具の工を以て神の形を隠した。左・・隱は、みな工の形を含む。その工を左右の手で奉ずる形は巫、神につかえ、神意をたしかめる者をいう。〔説文〕五上に「するなり。女の能く無形に事(つか)へ、を以てなり。人の兩(りゃうしう)もてふ形に象る。工とを同じうす。古(いにしへ)巫咸、初めて巫と作(な)る」といい、無・(舞)との声の関係を以て説く。春秋期の楚の巫臣、字(あざな)は子靈(霊)といい、靈は雨乞いする巫の意。卜文・金文の巫の字形に作り、工を縦横に組み合わせた形。卜辞を祀ることを卜する例があり、巫祖を祀るものであろう。〔山海経、大荒西経〕に十巫の名がみえ、巫はみなその伝統を伝えた。のち女巫を巫といい、男巫を覡(げき)という。

[訓義]
1. みこ、かんなぎ、女巫。
2. 巫医シャーマン
3. 誣(ふ)と通じ、みだりがわしい。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕巫 加无奈(かむなぎ)〔和名抄〕巫 加无奈(かむなぎ)〔名義抄〕巫 カミナリ(ギ)・タカシ・ヲムナカムナギ

[部首]
〔説文〕に覡をその部に属し、〔玉〕になお靈など二字を加える。覡はまた(撃)に作る。

[声系]
〔説文〕に巫声として誣を収める。〔説文〕三上に「加なり」とあり、加言・架言の意。〔説文通訓定声〕に「憑(ひようきよ)架、以て人を謗(そし)るなり」という。

[語系]
巫・無・miuaは同声。無はの初文。無は袖に呪飾をつけて舞う人の正面形。下に両足(舛(せん))を加えてとなる。はもと雲舞、雨乞いのときに行われた。

[熟語]
巫医巫嫗・巫雲・巫巫媼巫鬼巫覡巫蠱巫鼓巫降巫史・巫師巫児巫呪巫祝巫術・巫女巫婆・巫風巫歩
[下接語]
医巫・傴巫・巫・覡巫・史巫・女巫・神巫・鍼巫・僧巫・俗巫・村巫・暴巫・老巫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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