巨頭鯨・五島鯨(読み)ごんどうくじら

精選版 日本国語大辞典 「巨頭鯨・五島鯨」の意味・読み・例文・類語

ごんどう‐くじら ‥くぢら【巨頭鯨・五島鯨】

〘名〙 (「ごんどう」は「ごとう(五島)」の変化したものか)
① ゴンドウクジラ科(あるいはマイルカ科)ゴンドウクジラ属のうち、とくにコビレゴンドウのこと。温帯~熱帯の海に広く分布し、海域により地方型が多い。日本の沿岸では、伊豆以南の黒潮域で追い込み漁で捕獲されるマゴンドウ(別名ナイサゴトウ)と、北海道から三陸沖に分布するタッパナガ(別名シオゴトウ)の二型が見られる。体長はマゴンドウが雄六・五メートル、雌四・七メートル、タッパナガは雄四・七メートル、雌三・七メートル。体色は全身黒褐色で、タッパナガは背鰭の後方に淡色の斑があり、また胸鰭(立羽(たっぱ)と呼ばれる)がやや長い。頭が前方に突き出すが、吻(ふん)は突き出さない。数十頭の群れをなし、とくにイカをよく捕食する。
② ゴンドウクジラ科(マイルカ科に含める研究者も)のうち、シャチを除く種の総称。共通する形態の特徴として、頭が前方に突き出るが、マイルカのように吻が突き出ることはない。コビレゴンドウと同属のヒレナガゴンドウのほか、別属のオキゴンドウユメゴンドウカズハゴンドウがいる。

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