ひだり‐なわ ‥なは【左縄】
〘名〙
① 左縒
(よ)りにした縄。ふつう、縄は右縒りとするが、
注連縄(しめなわ)など、
吉凶の
祭事に用いる縄に、
左縒りが多くみられる。
※
書紀(720)神代上(兼方本訓)「中臣の神、
忌部の神、則ち、
端出之縄(しりくめなは)を界以
(ひきわた)し〈縄
(なは)、亦た左縄
(ヒタリナハ)の端出
(はしいたす)と云はく、此をば斯梨倶梅儺波と云ふ〉」
②
物事が逆になること。物事が思うようにならないこと。ひだりまえ。
※登蓮法師恋百首(平安末)「
二人寝てふたり寝たりとみし夢はひたりなはに有ける物を」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「左縄」の意味・読み・例文・類語
ひだり‐なわ〔‐なは〕【左縄】
1 左縒りにした縄。ふつうは右縒りだが、祭事に用いるものに多くみられる。
2 物事が思うようにならないこと。左前。
「かう―になるからは父様のことも埒明かぬ」〈浄・丹波与作〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の左縄の言及
【しめ縄(注連縄)】より
…朝鮮のクムジュル(禁縄(きんじよう))をはじめ東南アジア一帯にもしめ縄に類する境界標示装置がみられる。[結界]【垂水 稔】
[朝鮮]
朝鮮ではクムジュル(禁縄),ウェンセキ(左縄)などとよばれ,主として中部以南地方にみられる習俗で,稲作文化の文化要素として日本の例と共通する点が多い。通常の縄とは逆に左よりになわれ,紙や帛(はく),枝葉などがつるされる。…
※「左縄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」