左(漢字)

普及版 字通 「左(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(異体字)
2画

[字音]
[字訓] ひだり・たすける

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
(さ)+工。は左の初文、手の象形。工は巫祝のもつ呪具。右は(さい)、すなわち祝を収める器をもつ形。左右は神を尋ね、その祐助を求めるときの行動を示す。ゆえに(尋)は左右を重ねた形。左右は援助を意味する語となる。〔説文五上に「手相ひ左助するなり」とし、会意とするが、左と右との字形の関係について説くところがない。

[訓義]
1. ひだり、左に呪具の工をもつ、ひだりの方、ひだりする、ひだりの手。
2. たすける、左に呪具をもち助けを求める。のち佐を用いる。
3. 右に対して下、右尊左卑の観念からさげる、くだる、おとる、うとんずる、しりぞける、いやしい。
4. もとる、たがう、あやしい、よこしま。

[古辞書の訓]
名義抄〕左 ヒダリ・ホトリ・タスク/左右 トニカクニ・タスケ・タスク 〔立〕左 タスク・ヒダリ・イヤメツラ・ホトリ・ヒウカシ・トサマ・コカタ 〔字鏡集〕・左 ニシ・ヒダリノテ・ホトリ・タスク・トサケ(マ)・ヒダリ

[部首]
〔説文〕に差をこの部に属し、〔玉〕も同じ。金文の差は禾に左あるいは右を加える形で、黍稷を神に薦める意。それで「差(すす)む」とよむ。

[声系]
〔説文〕に左声としてを収め、隋系の字はその省形に従う。隋は聖所に肉を盛りあげるようにして供える意。左に従うのは差める意とみてよい。

[語系]
・左・佐tzaiは同声。贊(賛)tzanはその声近く、やはり賛(たす)ける意がある。古くは佐助の意に用いた。

[熟語]
左掖・左腋左个・左介・左廻・左階・左・左学左宦左揆・左拒・左・左魚・左御左馭・左脅・左近・左愚・左軍・左契・左計・左脛・左傾左倪左挈・左・左賢・左験・左言左顧・左股・左語・左江・左行左閤左闔・左降・左坐左錯・左驂・左史・左使・左耳・左字・左車・左手・左塾・左書・左序・左除・左証・左相・左神・左衽・左袵・左精左遷・左扇・左旋・左賤・左還・左・左側・左尊・左帯・左隊・左袒・左端・左黜・左提・左程・左転・左纛・左道左胖・左盤左臂・左・左髀・左符・左・左文左辺・左眄・左輔左旁・左榜・左右・左左翼左隣・左肋
[下接語]
海左・関左・貴左・虚左・空左・験左・江左・曠左・車左・尚左・章左・証左・譲左・席左・誕左・道左・符左・門左・閭左・嶺左

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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