巡合・回合(読み)めぐりあう

精選版 日本国語大辞典 「巡合・回合」の意味・読み・例文・類語

めぐり‐あ・う ‥あふ【巡合・回合】

〘自ワ五(ハ四)〙
周囲をめぐって出会う。
※石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「因りて遂に瘻を患む。項に繞りて帀併(メクリアヒ)なむとす。胸前に至りて疼痛み」
② 別れ別れになっていた人がめぐりめぐって再び出会う。
伊勢物語(10C前)一一「忘るなよほどは雲ゐになりぬとも空ゆく月のめぐりあふまで」
※とりかへばや(12C後)中「かなしくたへがたきに、めぐりあひたづねあはん事おぼえず」
③ あれこれと遍歴したあとで思いがけず出会う。また、いろいろな経過をたどってやっと出会う。
落梅集(1901)〈島崎藤村七曜のすさび・火曜日新茶「必ずや我はいかなる生涯を送るべきかとの疑問邂逅(メグリア)ふべし」

めぐり‐あい ‥あひ【巡合・回合】

〘名〙 めぐりあうこと。思いがけず出会うこと。邂逅(かいこう)
浮世草子・新色五巻書(1698)一「浮世は物のめぐりやい」

めぐり‐あわせ ‥あはせ【巡合・回合】

〘名〙 自然にめぐりくる運命。まわりあわせ。
随筆・続飛鳥川(19C中)「歌比丘尼、〈略〉唄に、めぐりあはせのうつり香も、むすびとめたよ糸ざくら」

めぐり‐あわ・せる ‥あはせる【巡合・回合】

〘自サ下一〙 思いがけず出会う。
※浮世草子・色里三所世帯(1688)上「今や今やと待程に其月にめぐりあはせ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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