川平湾(読み)カビラワン

デジタル大辞泉 「川平湾」の意味・読み・例文・類語

かびら‐わん【川平湾】

沖縄県八重山諸島石垣島西部にある湾。散在する小島珊瑚礁さんごしょうの海に囲まれ、島内で最も美しい入り江として名高い。南岸には黒真珠の養殖場がある。西表石垣国立公園一部

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日本歴史地名大系 「川平湾」の解説

川平湾
かびらわん

石垣島北西に位置し、北西方向に開口する入江。「寰瀛水路誌」には河平湾と表記されている。奥行一・五キロ、幅〇・五―一キロ。東側と南側の湾岸が直線状をなし、湾口西岸には川平かびら集落があり、その南に小さな岬状の突出部がある。湾口には面積〇・三七平方キロの島を最大として、マジャパナリ(真謝離)・ムクパナリ(婿離)など九つの小島が湾をふさぐように点在、両島絵図帳にも「小嶋離」「まじや離」がみえる。小島群と湾の東岸・西岸の地質琉球石灰岩で、湾奥にある湿地帯の背後には国頭礫層が分布している。

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改訂新版 世界大百科事典 「川平湾」の意味・わかりやすい解説

川平湾 (かびらわん)

沖縄県石垣島の北西岸にある湾。長さ約2km,幅約1km。古くは沖縄島(本島)へ向かう船の風待ち港としても利用された。清澄な海にはサンゴ礁がよく発達し,ここを訪れる観光客も多い。1951年から世界でも珍しい黒真珠の養殖が開始された。湾に隣接する川平村落は歴史も古く,旧暦9月に行われる来訪神マユンガナシの祭祀は,よく知られている。また,マラリアで廃絶した集落の多い石垣島では,その禍いより生き延びてきた数少ない集落の一つでもある。集落背後には川平貝塚(史)があり,外耳土器のほか,青磁類や南蛮焼類が出土する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「川平湾」の意味・わかりやすい解説

川平湾
かびらわん

沖縄県八重山(やえやま)列島の石垣島西部にある小湾。川平地区に接し、裾礁(きょしょう)からなるサンゴ礁(しょう)や小島に取り巻かれ、沖縄のなかでもっとも美しい入り江の一つとして名高い。湾の南岸には川平公園が設置され、八重山観光のメッカとなっている。黒真珠の養殖が行われてきたが、1980年(昭和55)水質汚染のため、一時西表(いりおもて)島へ移され、のちに再開された。

[目崎茂和]


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事典・日本の観光資源 「川平湾」の解説

川平湾

(沖縄県石垣市)
新おきなわ観光名所100選指定の観光名所。

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