精選版 日本国語大辞典 「嶋中雄作」の意味・読み・例文・類語
しまなか‐ゆうさく【嶋中雄作】
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出版人。奈良県に生まれる。早稲田(わせだ)大学文学部哲学科を卒業。1912年(大正1)10月島村抱月(ほうげつ)の紹介で中央公論社に入社、滝田樗陰(ちょいん)主幹の『中央公論』編集部員となる。1916年1月『婦人公論』創刊と同時に初代編集長になり、婦人解放をスローガンとした編集方針でジャーナリズムに登場。1928年(昭和3)初代社長の後継として社長に就任。1929年出版部をつくり、処女出版の『西部戦線異状なし』が大べストセラーになる。これによって、苦境にあった経営を立て直し、滝田時代の経営から組織的な近代的経営への基礎をつくった。第二次世界大戦末期に軍部の圧力で社を解散。1946年(昭和21)1月号の『中央公論』復刊を手始めに社を再建、ふたたび社長に就任した。
[清田義昭]
『中央公論社編『嶋中雄作・出版人の遺文』(1968・栗田書店)』
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…太平洋戦争開戦の直前,1941年から戦後の47年までを時代背景として,出版社新評論社を経営するリベラリスト葦沢悠平とその家族の苦難を描く。葦沢は中央公論社の社長であった嶋中雄作をモデルにしており,同社が戦時下にこうむった弾圧(横浜事件)の様相なども書きこまれる。戦後,新評論社に起こった労働争議の場面を通しても,当時の激動する時世がとらえられている。…
※「嶋中雄作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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