嵐の中の青春(読み)あらしのなかのせいしゅん(英語表記)I Am a Camera

改訂新版 世界大百科事典 「嵐の中の青春」の意味・わかりやすい解説

嵐の中の青春 (あらしのなかのせいしゅん)
I Am a Camera

イギリス映画。1955年製作。A.マッケンドリック(《マダム泥棒》1955)と並んでイギリス喜劇映画の伝統(いわゆるバルコン・タッチ)を受け継ぐ,戦後派のH.コーネリアス監督作品で,〈奇々怪々ともみえる現実をドキュメンタリーでとらえた〉(花田清輝)異色の青春映画。原作は,ヒトラー政権出現前夜のワイマール・ドイツを外国人の目で描いたC.イシャウッドの連作小説《ベルリンよ,さらば》の1編《サリー・ボールズ》(1939)から,ジョン・バン・ドルーテンが《私はカメラだ》の題で劇化(1952)したもの。これを作家のJ.コリアが映画用に脚色題名はイシャウッドの小説の冒頭の〈私はカメラだ。シャッターをあけたまま,完全に受身ですべてを記録し,何も考えない〉からとられた。監督・振付ボブ・フォッシー,ライザ・ミネリ主演《キャバレー》(1971)としてミュージカル映画化された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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