崎嶇(読み)きく

精選版 日本国語大辞典 「崎嶇」の意味・読み・例文・類語

き‐く【崎嶇】

〘名〙 (形動タリ)
山路などがけわしいこと。凹凸がはなはだしいさま。
田氏家集(892頃)中・和藤進士客中遇雪見寄「関左崎嶇膺帝難
読本唐錦(1780)二「崎嶇(キク)(〈注〉ケハシキ)たる山路をこけまろびて馳けるに」
② 人の世の容易でないこと。辛苦のさま。
菅家文草(900頃)二・苦熱「况行世路甚崎嶇」
※如是我証(1906)〈綱島梁川〉「分け登る人生の一路、常に崎嶇たり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「崎嶇」の意味・読み・例文・類語

き‐く【×嶇】

[名](スル)険しいこと。容易でないこと。また、辛苦すること。
万里流飄りゅうひょうし重阻に―す」〈東海散士佳人之奇遇
[ト・タル][文][形動タリ]
山道の険しいさま。「崎嶇たる山路」
世渡りの厳しく困難なさま。
轗軻かんか―たる人生の行路に遭いて」〈透谷・二宮尊徳翁〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「崎嶇」の読み・字形・画数・意味

【崎嶇】きく

けわしいさま。晋・陶潜〔帰去来の辞〕窈窕(えうてう)として壑(たに)をね、亦た崎嶇として丘を經たり。木は欣欣として以て榮に向ひ、泉は涓涓(けんけん)として始めてる。

字通「崎」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android