岸良兼養(読み)きしら・かねよし

朝日日本歴史人物事典 「岸良兼養」の解説

岸良兼養

没年:明治16.11.15(1883)
生年天保8.8(1837)
明治初期の司法官薩摩(鹿児島)藩士岸良兼善の長男として生まれる。幼名俊助。明治1(1868)年4月議政官史官試補をふり出しに,2年2月監察司知事となり,同年9月弾正大巡察,4年3月刑部少丞,5年8月司法少丞。同年河野敏鎌らと共に司法省から欧州視察に派遣され,帰国後6年12月権大検事となり,次いで大検事,10年6月には大審院検事長に累進した。この間,佐賀の乱(1874)や西南戦争(1877)の裁判にかかわった。さらに,12年10月大審院長に任命されたが,14年7月司法少輔に転じ,16年6月元老院議官を兼任。同年7月以降は元老院議官専任となった。

(楠精一郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岸良兼養」の解説

岸良兼養 きしら-かねやす

1837-1883 明治時代の司法官。
天保(てんぽう)8年8月生まれ。もと薩摩(さつま)鹿児島藩士。新政府の議政官史官試補,司法少丞などをへて権(ごん)大検事となり,明治7年の佐賀の乱の裁判にかかわる。8年大検事にすすみ,10年西南戦争の裁判で検察指揮。同年大審院検事長,12年大審院長。明治16年11月15日死去。47歳。通称は七之丞。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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