岸和田だんじり祭(読み)きしわだだんじりまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岸和田だんじり祭」の意味・わかりやすい解説

岸和田だんじり祭
きしわだだんじりまつり

大阪府岸和田市の岸和田地区にある岸城神社(きしきじんじゃ)と岸和田天神宮の例祭。毎年 9月の敬老の日(第3月曜日)直前の土曜日と日曜日に行なわれる。地区各町が威勢よく引き回す「だんじり」で知られ,その名がある。元禄16(1703)年に,岸和田藩藩主岡部長泰(おかべながやす)が京都の伏見稲荷を城内三の丸に勧請し,五穀豊穣を祈る祭りを始めたのが起源と伝えられ,寛延3(1750)年に岸城神社への「だんじり」の宮入り記録がある。岸城神社と岸和田天神宮の祭りが同日に行なわれるようになったのは明治初期のことで,両神社の氏子である各町内から選ばれる年番を中心に運営される。各町では,氏子たちが年齢段階によって割り当てられた役割に従って「だんじり」を運行するが,祭りの花形両手うちわを持って屋根の上に乗る大工方で,その指示によって,勢いよく角を曲がるやり回しなどがなされる。初日は岸和田駅前を通るパレードが行なわれ,2日目に岸城神社,岸和田天神宮で,中心行事である氏子町の「だんじり」の宮入りが行なわれる。ただし,春木南の「だんじり」だけは,同日にだんじり祭りを行なっている春木地区の弥栄神社に宮入りする。宮入りの順番はくじ引きで決めるが,岸城神社の宮本町上町,五軒屋町と岸和田天神宮の沼町,筋海町は,常にこの順で先陣を切って宮入りすることが決まりとなっている。岸和田市内では 10月にもほかの地区で同様のだんじり祭りが行なわれる。

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