岩村田藩(読み)いわむらだはん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩村田藩」の意味・わかりやすい解説

岩村田藩
いわむらだはん

信濃(しなの)国佐久(さく)郡岩村田(長野県佐久市)に陣屋を置いた譜代(ふだい)小藩。1703年(元禄16)内藤正友(まさとも)が関東散在所領から佐久郡1万6000石に入封したのに始まる。翌年(宝永1)大坂定番(じょうばん)就任に伴い1万石は摂津河内(かわち)両国内に替地(かえち)となったが、11年(正徳1)2代正敬(まさゆき)がふたたび佐久、小県(ちいさがた)両郡内1万石と替地。うち1000石を弟正直に分知して1万5000石を領し、以後正弼(まさすけ)、正興、正国、正縄(まさつな)、正誠(まさあきら)と7代存続して廃藩に至る。当初から財政難が深刻で藩内外の豪農商や松代(まつしろ)藩城下町商人八田(はった)家からの借財でしのぎ、再三御用達(ごようたし)の反抗を引き起こし、家紋にかけて「金(かね)は内藤志摩守(しまのかみ)、すそからぼろが下がり藤」と皮肉られた。1871年(明治4)岩村田県を経て長野県に統合された。

[古川貞雄]

『『北佐久郡志・歴史編』(1956・北佐久郡志編纂会)』

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デジタル大辞泉プラス 「岩村田藩」の解説

岩村田藩

信濃国、岩村田(現:長野県佐久市)周辺を所領とした譜代の小藩。元禄年間に内藤正友が1万6000石で入封し、以後内藤氏が幕末まで統治。藩の財政は苦しく、藩内外の豪商からの借金でしのぐほどであった。

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