岩川 友太郎(読み)イワカワ トモタロウ

20世紀日本人名事典 「岩川 友太郎」の解説

岩川 友太郎
イワカワ トモタロウ

明治期の貝類学者



生年
安政1年12月(1855年)

没年
昭和8(1933)年5月2日

出生地
青森県弘前

学歴〔年〕
東京開成学校(現・東京大学)卒

経歴
表具師の家に生まれるが、幕府がつくった海軍局で機関学を、藩学の英学寮で英語を学び、明治5年東奥義塾が創設されると、二等教授に任じられた。その後上京し、11年東京開成学校(現・東京大学)に入学して米国人教授のモースに師事し、動物学を専攻。モースの大森貝塚発掘に同行したことをきっかけに、貝類学の研究に取り組む。卒業後、東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)教授に就任傍ら、日本初の英和対訳辞典「生物学語彙」、日本初の貝類目録「日本産貝類標本目録」などを編集。日本貝類学会を創設し、軟体動物学、貝類学の第一人者として活躍。その業績は世界的にも高く評価された。また、帝室博物館学芸委員として博物標本の収集、整理にも寄与。台湾・沖縄に分布するイワカワシジミは、彼の名にちなんでつけられたものである。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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