いわ‐い いはゐ【岩井】
[1] 〘名〙
① (「井」はわき水をくみ上げることができるようにした場所) 岩の間からわき出る泉を井としたもの。または、周囲を石で囲んだ井。いしい。
※新古今(1205)夏・二八〇「岩井くむあたりのをざさ玉こえてかつがつ結ぶ秋の夕露〈藤原兼実〉」
[2]
[一] 茨城県南西部の
地名。旧市名。昭和四七年(
一九七二)
市制。平成一七年(
二〇〇五)
猿島町と合併して
坂東市となる。
[二] 鳥取県の北東端にあった郡。近世初期、巨濃
(この)郡が改称して成立。明治二九年(
一八九六)
岩美郡に統合されて
消滅。
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デジタル大辞泉
「岩井」の意味・読み・例文・類語
いわい【岩井】[地名]
茨城県南西部にあった市。平成17年(2005)に猿島町と合併して坂東市となった。→坂東
いわ‐い〔いはゐ〕【岩井/▽石井】
岩の間からわき出る泉を井としたもの。
「―汲むあたりの小笹玉こえてかつがつ結ぶ秋の夕露」〈新古今・夏〉
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岩井
いわい
浦賀水道に注ぐ岩井川下流域から河口にかけての一帯に比定される。ほぼ同一地域をさすであろう石井郷は律令制の郷であり(和名抄)、穂田(現鋸南町)などと同様に早くから海上交通の拠点として開発されてきた所と考えられる。永和五年(一三七九)閏四月一三日の鎌倉府政所執事奉書(鶴岡八幡宮文書)に「岩井不入計半分」とみえ、「大方分」と号した同地が鎌倉鶴岡八幡宮本地供供料として寄進され、同年一二月二三日には、「岩井不入計村」全体が鎌倉鶴岡八幡宮本地供料所として寄進された(「鎌倉公方御教書写」相州文書)。
岩井
いわい
中世末期にみえる地名。現御井町、高良山麓の一帯をさすか。高良山の南谷・北谷を源とし、参道入口の御手洗池を回遊、山下の御井町を貫徹して北西方に向かう水流を現在も岩井川と称するのはその名残であろう。この流れが御井小学校付近を通過するところにある湧水を「磐井の清水」とよび、「高良玉垂宮神秘書」には三つの泉が湧いていたことが記され、これが「三井郡」の語源であるという。近世初頭の成立とされる「高良社画縁起 社参曼荼羅」にはここで水仕事をする女性たちの姿が描かれ、その景観は近代に至るまで変わらなかった(御井町誌)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
岩井[温泉] (いわい)
鳥取県東部,岩美郡岩美町にある温泉。山陰海岸から蒲生(がもう)川を約8kmさかのぼったところに位置する。セッコウ泉,46~50℃。温泉の歴史は古く,約1000年前に発見されたと伝えられる。山陰道沿いにあって古くから知られたが,1908年山陰本線が開通して京阪神からの客が多くなり発展した。湯治客が頭から湯をかぶり,〈湯かむり唄〉を歌う風習があった。周辺の浦富(うらどめ)海岸は,山陰の松島と呼ばれる景勝地である。
執筆者:谷沢 明
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岩井
いわい
茨城県南西部,坂東市南部の旧市域。利根川左岸にある。 1972年市制。 2005年猿島町と合体して坂東市となった。常陸台地の南西部を占め,古くは石井郷 (いわいごう) といい,『将門記』の石井営所 (猿島の偽宮) があったとされる。かつては猿島茶,葉タバコの主産地として知られた。 1958年利根川にかかる芽吹大橋が完成し,千葉県野田市,東京方面との交通が至便となり,電気機械器具などの工場が進出。平将門ゆかりの国王神社や延命寺などがあり,毎年 11月に将門祭りが行なわれる。
岩井
いわい
千葉県南部,南房総市北西部の旧町域。 1928年町制施行。 1955年平群村と合体して富山町に,2006年富浦町,三芳村,白浜町,千倉町,丸山町,和田町と合体して南房総市となった。東京湾湾口に臨み,民宿や臨海学校が多く,夏季は海水浴客でにぎわう。
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岩井
岡山県苫田郡鏡野町、氷ノ山後山那岐山国定公園内にある湧水。1985年、環境庁により名水百選のひとつに選定された。
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岩井
(岡山県苫田郡鏡野町)
「名水百選」指定の観光名所。
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世界大百科事典(旧版)内の岩井の言及
【水上[村]】より
…熊本県南東部,球磨(くま)郡の村。人口2919(1995)。九州山地の中央部,球磨川の最上流域に位置し,県の最高峰[市房山](1722m)が宮崎県境にそびえる。球磨川が村域中央を南流し,湯山川との合流点に多目的ダムの市房ダムがある。中心集落は国道388号線が通じる岩野。米作のほか茶,シイタケ,クリの栽培と畜産などが行われ,村域の大部分を占める山林から良材を産する。市房ダム周辺は市房山県立公園として整備され,キャンプ場,サイクリングコースもあり,桜,紅葉の名所となっている。…
【岩美[町]】より
…鳥取県北東端,岩美郡の町。1954年岩井,浦富(うらどめ)2町と東,田後(たじり),網代(あじろ),大岩,本庄,小田の6村が合体,町制。人口1万4713(1995)。…
※「岩井」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」