山県(読み)やまがた

精選版 日本国語大辞典 「山県」の意味・読み・例文・類語

やまがた【山県】

[1] 〘名〙 (「やまあがた」の変化したもの) 山にある、大和政権が直接に支配する料地。転じて、山の畑。山地の畑。
古事記(712)上・歌謡「夜麻賀多(ヤマガタ)に 蒔(ま)きし あたて舂(つ)き」
[2]
[一] 岐阜県の中南部の地名岐阜市の北に位置する。平成一五年(二〇〇三)市制。
[二] 広島県の北西部の郡名。中国山地の中央部にある。山方とも書いた。

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デジタル大辞泉 「山県」の意味・読み・例文・類語

やまがた【山県】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「山県」姓の人物
山県有朋やまがたありとも
山県大弐やまがただいに
山県悌三郎やまがたていざぶろう

やま‐がた【山県】

山にあるあがた。転じて、山の畑。
「―に蒔ける青菜も」〈・下・歌謡〉

やまがた【山県】[地名]

岐阜県中南部の市。岐阜市の北に位置する。平成15年(2003)高富町美山町伊自良村が合併して成立。旧郡名を新市名とした。人口3.0万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「山県」の意味・わかりやすい解説

山県[市] (やまがた)

岐阜県中南部の市。2003年4月高富(たかとみ)町,美山(みやま)町と伊自良(いじら)村が合体,成立した。人口2万9629(2010)。

山県市南西部の旧村。旧山県郡所属。人口3287(2000)。長良川の支流伊自良川流域の山村。伊自良川本支流沿いの小規模な複合扇状地と丘陵性の山地から成る。中世は長講堂領伊自良荘に属し,近世は尾張藩領,天領旗本領などで,紙の生産が行われた。基幹産業は農業で,米作を中心に畜産や麦,野菜の栽培が行われる。近年,木工家具製造業がのびている。伊自良川上流には甘南美寺,キャンプ場などがあり,大門地区では横穴式古墳群が発見された。

山県市南部の旧町。旧山県郡所属。人口1万8795(2000)。中央を長良川の支流鳥羽川が流れ,周囲を山地が取り囲んで盆地を形成する。中心集落の高富は1709年(宝永6)本庄氏1万石の陣屋が置かれてから発展し,明治以降は郡役所が設置されるなど郡の政治・経済の中心となった。農業を主産業とするが,南隣の岐阜市のベッドタウンとして宅地化も進んでいる。東深瀬にある白山神社の拝殿は重要文化財に指定されている。

山県市中北部の旧町。旧山県郡所属。1964年町制。人口8869(2000)。町域の大部分は美濃越前山地に属し,町域の大部分が山林である。中央を長良川支流の武儀(むぎ)川が流れ,川沿いに集落が開ける。明治期以降,林業と手すき和紙が主産業であったが,第2次大戦後は農家の副業として導入された水栓バルブ工業が発達,現在では全国有数の生産高をあげている。また良質の杉,ヒノキ材を産し,製材業が盛んである。
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