山海関
さんかいかん / シャンハイコワン
中国、河北(かほく)省の北東部、万里の長城東端に位置する秦皇島(しんこうとう)市の市轄区。北西には燕山(えんざん)山脈が迫り、東は渤海(ぼっかい)湾に面し、長城がその海岸で終わっている。人口14万4500(2012。秦皇島経済技術開発区を除く)。中国内地から東北に通ずる軍事上の要地で、市街は城壁に囲まれ、有名な「天下第一関」の額はその東門楼上にかかっている。当地が万里の長城の終点となったのは6世紀、南北朝時代の北斉(ほくせい)のときで、隋(ずい)では臨渝関(りんゆかん)といわれたが、その位置は今日よりやや西であった。11世紀の初め遼(りょう)のとき現位置に移り、14世紀、明(みん)代の初めにここに関城を築き、山海衛を置いて軍隊を駐屯させたのが、山海関の名のおこりである。付近には孟姜女廟(もうきょうじょびょう)など長城伝説にまつわる古跡が多い。
[日比野丈夫・編集部 2017年3月21日]
1987年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「万里の長城」の構成資産として、山海関が世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。
[編集部 2017年3月21日]
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山海関【さんかいかん】
中国,万里の長城の東端。楡関(ゆかん)または渝関とも。現在は河北省秦皇島市山海関区となっている。京哈鉄道(北京〜ハルビン)が通り,古来,華北・東北往来の要衝として,幾度も兵争の地となった。〈天下第一関〉といわれ重視されたが,現在では商工業が盛んで,中国最古の橋梁工場がある。
→関連項目秦皇島|万里の長城|北戴河
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さんかい‐かん ‥クヮン【山海関】
中国、河北省の北東端、秦皇島市の北東部にある
関門の名。燕山山脈が
渤海湾に迫る
要害の地で、万里の長城の東端にあたり、古来、天下第一関と称された。明代の初め関城を築き、山海衛を置いたことからこの名が起こった。楡関
(ゆかん)。渝関。
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山海関
さんかいかん
Shānhǎiguān
中国の華北から東北地方に通じる交通上の要地。「天下第一関」の名がある
河北省の北東端,渤海湾に面し,万里の長城の東端に位置する。明代に山海衛が置かれてから山海関と称されるようになった。
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デジタル大辞泉
「山海関」の意味・読み・例文・類語
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さんかいかん【山海関 Shān hǎi guān】
中国,河北省北東端,遼寧省境にあり,秦皇島市に属する。万里の長城の起点にあたり,華北より遼西走廊を経て東北に通じる交通の要衝として古来重視され,〈天下第一関〉と称せられた。一名を楡関または渝関ともいう。明代にはじめて関が設けられ,守兵が配備された(山海衛)が,北は角山により,南は渤海に臨む険しい地である。明・清の交替期に,両朝の攻防が繰り広げられたが,呉三桂の降服により,清は関内に進出できた。現在は京哈鉄道(北京~ハルビン)が走り,大型の鉄橋材料の工場があることでも知られる。
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