山川(菓子)(読み)やまかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山川(菓子)」の意味・わかりやすい解説

山川(菓子)
やまかわ

干菓子白雪糕(はくせっこう)の一種で、島根県松江市の名菓。1806年(文化3)隠居して不昧(ふまい)と号した松平治郷(はるさと)(松江藩主)が、江戸品川の菓子司伊勢屋越後大掾(いせやえちごだいじょう)につくらせた軟落雁(らくがん)で、「散るは浮き散らぬは沈むもみじ葉の 影は高尾山川の水」(不昧)が、紅白紅三段の押し物に表現されており、菓子暦(ごよみ)では11月の菓子とされる。この山川は伊勢屋で修業した面高屋道順(おもだかやどうじゅん)により松江にもたらされたが、明治維新でとだえ、1887年(明治20)に風流堂初代の内藤竹次郎により復活した。いまは紅白二段の姿になっている。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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