山城(徳島県)(読み)やましろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山城(徳島県)」の意味・わかりやすい解説

山城(徳島県)
やましろ

徳島県北西部、三好郡(みよしぐん)にあった旧町名(山城町(ちょう))。現在は三好市の西部を占める地域。吉野川上流左岸にある。旧山城町は、1956年(昭和31)山城谷村が三名(さんみょう)村を編入して町制施行。2006年(平成18)三野(みの)、池田、井川の3町および東祖谷山(いややま)、西祖谷山の2村と合併して市制施行、三好市となった。JR土讃(どさん)線、国道32号、319号が通じる。地域は山地が大部分で、伊予川、黒川谷川、白川谷川、藤川谷川が東流して吉野川に注ぎ、河谷沿いや山腹に集落が点在する。四国山地を横切る吉野川の横谷(おうこく)にあたり、大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)の渓谷をつくる。愛媛県にまたがって広がる塩塚高原にはキャンプ場がある。農林業が主で、コウゾミツマタ、クリ、シイタケ栽培や木材などを生産する。徳島藩政時代から葉タバコ栽培が行われていたが、1841年(天保12)年貢の取り立て強化に反対して、農民631人が今治(いまばり)藩領に逃散(ちょうさん)した山城谷一揆(いっき)が起きている。

[高木秀樹]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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