屠畜場(読み)とちくじょう(英語表記)slaughter house

精選版 日本国語大辞典 「屠畜場」の意味・読み・例文・類語

とちく‐じょう ‥ヂャウ【屠畜場】

〘名〙 牛、豚などの獣畜食肉用に解体する施設屠所
※台湾総督府令第六五号‐明治三七年(1904)九月一六日「公共事業に属する公園墓地市場屠畜場及其の他の営造物は」

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デジタル大辞泉 「屠畜場」の意味・読み・例文・類語

とちく‐じょう〔‐ヂヤウ〕【×屠畜場】

食肉に供するために、屠畜・解体処理などを行う施設。屠場

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改訂新版 世界大百科事典 「屠畜場」の意味・わかりやすい解説

屠畜場 (とちくじょう)
slaughter house

家畜飼育業者がその生産家畜を食用に供するために,獣畜の処理の適正を図り,公衆衛生の向上増進に寄与するため〈と畜場法〉(1953公布)が定められ,この法律で獣畜(ウシウマブタヒツジヤギ)を食用に供する目的で屠殺解体する施設を屠畜場と規定している。処理能力については,生後1年以上のウシまたはウマを1日10頭以上屠殺解体する規模であることが定義されている。屠畜場の設置については,構造設備その他厚生省令で定める事項を記載した申請書を都道府県知事に提出し許可を受けなくてはならない。このためには,(1)人家が密集している場所,(2)公衆の用に供する飲料水が汚染されるおそれがある場所,(3)その他都道府県知事が公衆衛生上危害を生ずるおそれがあると認める場合は許可が与えられない。屠畜場では都道府県知事の行う検査を経た獣畜以外は屠殺できない。また都道府県知事の行う検査を経た獣畜以外を解体することはできない。ここで解体された獣畜の肉,内臓血液,骨および皮は,都道府県知事の行う検査を経たものでないと,屠畜場外に持ち出すこともできないと規定されている。

 このように屠畜場では厳重な検査と管理が義務づけられている。これらの検査にあたっては,屠畜検査員がこれに携わる。屠畜検査員は都道府県の職員のうちから都道府県知事が命ずることになっている。屠畜場で検査すべき疾病の範囲は〈と畜場法施行規則〉によって定められている。これらの綿密な検査が行われた後,施行規則の規定にもとづき検印を押す。この場合獣畜の種類によって,検印を押すべき部位も規定されている。以上の手続を経て安全な食用肉として,市場から食肉店を介して販売に供されている。
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百科事典マイペディア 「屠畜場」の意味・わかりやすい解説

屠畜場【とちくじょう】

食用の目的で,家畜を屠殺,解体するための施設。一般屠畜場と簡易屠畜場があり,前者は生後1年以上のウシとウマ,または1日10頭以上の獣畜を屠殺・解体できる施設をいい,後者はそれ以外のものをさす。いずれもと畜場法でその経営管理を規定されている。屠畜場は一般に係留場,屠室,内臓処理室,冷却室,検査室などの設備をもち,厳重な衛生管理を行うために,排水・浄化装置,冷凍設備の完備,施設とその周辺地の舗装などが必要。
→関連項目屠畜

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