屋代島(読み)やしろじま

精選版 日本国語大辞典 「屋代島」の意味・読み・例文・類語

やしろ‐じま【屋代島】

山口県南東部、瀬戸内海にある島。平地に乏しく、山腹に階段状にミカン園や棚田が開かれ、山口ミカンの本場として知られる。出かせぎも多く、ハワイ移民の先進地。昭和五一年(一九七六大島大橋開通。面積一二九・七平方キロメートル。大島。周防大島

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デジタル大辞泉 「屋代島」の意味・読み・例文・類語

やしろ‐じま【屋代島】

山口県の大島異称

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日本歴史地名大系 「屋代島」の解説

屋代島
やしろじま

山口県の南東部、安芸灘伊予灘周防灘に囲まれた面積一二九・七平方キロの島で瀬戸内海で第三の面積をもつ。西岸は海を挟んで熊毛くまげ半島に対し、北西大畠の瀬戸を挟んで玖珂くが大畠おおばたけ町に近接する。大島または周防大島すおうおおしまともよばれる。

屋代島の西部は標高六〇〇メートル以上の文珠もんじゆ山・嘉納かのう山・源明げんめい山・だけ山が連なる山地で、これらの山を水源とする、島最大の屋代川が北西流し、最大の平野部を形成する。島末しまずえと称される東部は島幅が狭いが、三〇〇メートル以上の白木しらき山・佐連され山・大見おおみ山が点在する。集落はそれらの山々から流れ出る川の谷筋や沖積地に開けるが、海岸線が迫り比較的小集落である。

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改訂新版 世界大百科事典 「屋代島」の意味・わかりやすい解説

屋代島 (やしろじま)

周防(すおう)大島または大島ともいう。山口県の南東部に浮かぶ防予諸島の主島で,面積129.7km2,瀬戸内海第3の島。大部分が花コウ岩類からなる島であるが,西部の嘉納山(685m),文珠山などは安山岩からなる山地をつくっている。山稜の配置や海岸線の形態は西部では北西~南東方向,東部では北東~南西方向の断層系に支配されている。沈水性の島のため海岸線の出入りが多く低地に乏しいが,西岸の小松湾頭にやや広い屋代谷(屋代平野)が開けている。屋代島は開発の古い島で,《国造本紀(こくぞうほんぎ)》に〈大島国造〉が見え,平安時代の《和名抄》には大島郡屋代郷,美敷(みふ)(美敢(みかむ))郷,務理(むり)郷の名が見える。近世は長州藩に属し,久賀(くか)に大島宰判勘場(代官所)があった。明治以降は多くの海外移民を送り出したことで知られる。前島,浮(うか)島,情(なさけ)島,沖家室(おきかむろ)島,笠佐島などの付属島嶼(とうしよ)を含めて山口県大島郡(面積140km2,人口2万8750。1995)を構成しており,久賀,大島,東和,橘の4町があったが,2004年合併により全島で周防大島町となった。

 旧久賀町は屋代島の北岸を占め,大島郡の行政・商業の中心で,久賀浦は小型底引網,一本釣りの漁村。嘉納山や嵩(だけ)山は展望にすぐれ,瀬戸内海国立公園の一部をなす。旧大島町は屋代島の西部を占め,島内ではやや広い低地に恵まれ,大島郡産米の9割弱を産出する。山口県下最後の製塩地開作(小松)塩田の跡地では250万尾のクルマエビが養殖されている。1976年大畠瀬戸をまたいで大島大橋(全長1020m)が架けられ,本土と結ばれた。旧東和町は中世の島末荘の地で,屋代島東部の細長い半島部を占め,農地の9割余がミカン園で,旧橘町とともに山口ミカンの主産地である。情島や沖家室島は一本釣りの漁村。旧橘町は屋代島の中央部を占め,東岸の日前(ひくま)は嘉永年間(1848-54)に始まった大島ミカンの発祥地で,ミカン産額は全県の約1/4を占める。南岸の安下庄(あげのしよう)浦は古くからの漁村である。
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百科事典マイペディア 「屋代島」の意味・わかりやすい解説

屋代島【やしろじま】

山口県の大島の別称。

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