屋下に屋を架す(読み)おっかにおくをかす

精選版 日本国語大辞典 「屋下に屋を架す」の意味・読み・例文・類語

おっか【屋下】 に 屋(おく)を架(か)

(「顔氏家訓‐序致」に「魏晉以来所著諸子、理重事複、逓相模、猶屋下架屋、牀上施一レ牀耳」とあるところから) 屋根の下に屋根を作るように、不必要なことをするたとえ。屋上屋を架す。

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デジタル大辞泉 「屋下に屋を架す」の意味・読み・例文・類語

屋下おくかおく

《「顔氏家訓」序致から》屋根の下にさらに屋根を作る。むだなことをするたとえ。屋上屋を架す。
[類語]屋上屋を架す月夜に提灯ちょうちん闇の夜の錦汽車の後押し網の目に風とまらず泥田を棒で打つ竹藪に矢を射るよう死に馬にはり氷にちりば泥裡でいり土塊どかいを洗う権兵衛が種蒔きゃからすがほじくる骨折り損の草臥くたびもう

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故事成語を知る辞典 「屋下に屋を架す」の解説

屋下に屋を架す

すでになされていて、それ以上は必要のないことをすることのたとえ。

[使用例] 僕の如きものが、今更カッフェーについてせんばくなる文をつくるのは、屋下に屋を架する笑いを招くばかりであろう[永井荷風申訳|1927]

[由来] 「世説新語文学」に出て来る話から。四世紀の中国、とうしん王朝の時代のこと。せんという文人が、「ようの賦」という文章を作り、すばらしい作品だと大評判になりました。しかし、時の実力者、しゃあんは、すでに同じように都会の繁栄ぶりを描いた名文がいくつかあり、それらには及ばないところから、「これれ屋下に屋を架するのみ(この作品は、屋根の下に屋根を作ったように、何の新しみもない)」と述べたそうです。

〔異形〕屋上に屋を架す。

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