屋上屋を架す(読み)おくじょうおくをかす

精選版 日本国語大辞典 「屋上屋を架す」の意味・読み・例文・類語

おくじょう【屋上】 屋(おく)を架(か)

重ねて無益なことをするたとえ。屋下(おっか)に屋を架す。〔近代語新辞典(1923)〕
※文学読本・理論篇(1951)II・現代日本小説〈平野謙〉「いたずらに屋上屋を架する愚をさけるために、できるだけ具体的な作品に密着して」

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デジタル大辞泉 「屋上屋を架す」の意味・読み・例文・類語

屋上おくじょうおく

屋根の上にさらに屋根を架ける。むだなことをするたとえ。屋下に屋を架す。
[類語]屋下に屋を架す月夜に提灯ちょうちん闇の夜の錦汽車の後押し網の目に風とまらず籠で水を汲む泥田を棒で打つ竹藪に矢を射るよう死に馬にはり氷にちりば泥裡でいり土塊どかいを洗う権兵衛が種蒔きゃからすがほじくる骨折り損の草臥くたびもう馬耳東風馬の耳に風馬の耳に念仏犬に論語牛に経文牛に対してことを弾ず兎に祭文ぬかに釘豆腐にかすがい暖簾のれんに腕押し石にきゅう石に針沢庵たくあんのおもしに茶袋

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ことわざを知る辞典 「屋上屋を架す」の解説

屋上屋を架す

屋根の上にさらに屋根をかけるように、重複して、むだなことをする。

[使用例] いま私も私小説主軸としてここに近代日本文学の内実をさぐろうと思うものだが、いたずらに屋上屋を架する愚をさけるために、できるだけ具体的な作品に密着して、そこに基本的な発想の型を抽出する方法をとりたいと思う[平野謙*文学読本・理論篇|1951]

〔異形〕屋下に屋を架す

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