屈折ピラミッド(読み)クッセツピラミッド

デジタル大辞泉 「屈折ピラミッド」の意味・読み・例文・類語

くっせつ‐ピラミッド【屈折ピラミッド】

Bent Pyramidエジプト、ナイル川下流西岸にある古代エジプトの王墓群(ネクロポリス)、ダハシュールにあるピラミッド通称。古王国第4王朝の創始者でクフ王の父であるスネフル王が建設。基礎部分の一辺の長さ188メートル、高さ約105メートル(現在は頂上部が崩れて約97メートル)。名称は中ほどで傾きが変わることに由来する。赤いピラミッドとともに、1979年、「メンフィスとその墓地遺跡、ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。スネフル王の屈折ピラミッド。

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知恵蔵mini 「屈折ピラミッド」の解説

屈折ピラミッド

エジプトの首都カイロ郊外のダハシュールにあるピラミッドの通称。紀元前27世紀頃、エジプト古王国第4王朝初代のスネフェル王(クフ王の父)が建設したとされる。1979年、世界遺産に登録された。基礎部分の一辺の長さは約189メートル 、高さ約105メートル。下方傾斜は約54度21分で、高さ49.07メートル部分から約43度21分に変化しているため「屈折ピラミッド」といわれる。2015年10月、岩石を透過する宇宙線を使ってピラミッドの内部を透視し分析するプロジェクト対象となったことが発表された。

(2015-10-27)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の屈折ピラミッドの言及

【ピラミッド】より

… 第4王朝初代スネフル王は,第3王朝末の階段ピラミッドを方錐ピラミッドとして完成したメイドゥームのピラミッド(底辺144.32m,高さ92m,勾配51度52分。現在は塔状に崩壊),建造中に勾配を変更(当初の54度31分13秒から高さ49.07mで43度21分へ)したダハシュール南の〈屈折ピラミッド〉(底辺188.6m,高さ101.15m),当初の計画どおり完成された最初の方錐形ピラミッドであるダハシュール北の〈赤色ピラミッド〉(底辺219.28m,高さ104.42m,勾配43度36分11秒)の3基のピラミッドの建造により真正のピラミッド形式を創出,同時に葬祭殿も東側に移し,〈ピラミッド複合体〉の原型をつくり上げる。 ピラミッド建築の頂点は次王クフ王の〈ギーザの大ピラミッド〉で(図2),最大規模を誇る(底辺230m,高さ144.6m,勾配51度52分,容積約260万m3。…

※「屈折ピラミッド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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