尻羽岬(読み)しりぱみさき

日本歴史地名大系 「尻羽岬」の解説

尻羽岬
しりぱみさき

厚岸あつけし湾口にある岬。シリバ、シリッパともよみ、近世の文献には「シリハヱト」「シレハ岬」(「蝦夷日誌」一編)、「シレハサキ」(廻浦日記)などと記録されている。一六四三年(寛永二〇年)アッキス(厚岸)湾に入ったオランダ東インド会社のカストリクム号はサンタネール岬Caep Santanelと名付けている(フリース船隊航海記)。「地名考并里程記」にシリバとみえ、「夷語シリバは聳たる崎といふ事。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「尻羽岬」の意味・わかりやすい解説

尻羽岬 (しりはみさき)

北海道南東部,厚岸(あつけし)湾南端の岬。釧路(くしろ)支庁釧路町に属する。新第三紀のレキ岩からなり,高さ約100mの海食崖が発達し,岬の南側に高さ11mの帆掛岩など大小の岩がある。岬から東方へ厚岸湾口をふさいで暗礁が延び,水深は1m程度で,礁上は常に波立っている。海食崖下のごく狭い低地にコンブ漁家が点在する。東に天然記念物に指定された海鳥繁殖地,大黒(だいこく)島をのぞむ。先端部にはヒオウギアヤメ群落があり,6月下旬ごろに美しく開花する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尻羽岬」の意味・わかりやすい解説

尻羽岬
しりはみさき

「しりぱ」「しりば」ともいう。北海道南東部,厚岸湾頭に突出する岬。釧路町に属する。厚岸湾口西側に位置し,湾口にある大黒島小島を一望できる景勝地。夏には牛馬が放牧される。初夏に咲くヒオウギアヤメは有名。厚岸道立自然公園に指定。

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