尻屋崎(読み)しりやざき

精選版 日本国語大辞典 「尻屋崎」の意味・読み・例文・類語

しりや‐ざき【尻屋崎】

青森県下北半島北東端にある岬。石灰岩海食台が続き、暗礁(あんしょう)が多い。

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デジタル大辞泉 「尻屋崎」の意味・読み・例文・類語

しりや‐ざき【尻屋崎】

青森県、下北半島北東端にある岬。石灰岩の海食台が続き、暗礁あんしょうが多い。

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日本歴史地名大系 「尻屋崎」の解説

尻屋崎
しりやざき

下北半島の東北端の出崎で、津軽海峡の東の入口に位置する。東は太平洋に面し、北西津軽海峡を隔てて北海道の恵山えさん岬と相対する。正保四年(一六四七)の南部領内総絵図に「尻屋崎 此所海中へ二里半ノ間水底にはゑ在、舟道不自由」とあり、船遠見番所がみえる。寛政年間(一七八九―一八〇一)の「邦内郷村志」には「三方海絶景地則尻屋崎也、可惜千里遠遊客不能来観焉」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「尻屋崎」の意味・わかりやすい解説

尻屋崎 (しりやざき)

青森県北東部,下北郡東通村にある下北半島北東端の岬。津軽海峡の東の入口にあたり,東は太平洋に臨み,北西は津軽海峡を隔て北海道恵山(えさん)岬に相対する。石灰岩からなる岩石海岸で,高さ約20mの海食台をなし,牛馬が放牧されている。周囲の海上は岩礁が多く,夏は霧,冬は暴風雪となることが多いため,海難事故が絶えなかった。南西約2kmには尻屋の集落があり,磯漁が行われたが,セメント工場が立地した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尻屋崎」の意味・わかりやすい解説

尻屋崎
しりやざき

青森県北東部,下北半島の北東端にある岬。志利屋とも書く。東通 (ひがしどおり) 村に属する。津軽海峡をへだてて北海道恵山岬と相対する。高さ約 20mの海食台地をなし,付近の海上にはイサゴ島などの岩礁が多い。さらに濃霧が発生しやすい航海難所で,岬の突端に灯台 (1876年設置) がある。海食台地上には牛馬が放牧され,周年放牧されているウマは寒立馬 (かんだちめ) として知られ,在来種に近いとされている。岬から約 5km南にある桑畑山から産出する良質の石灰岩は,尻屋崎港から専用輸送船でおもに北海道の室蘭に送られ,製鉄,セメントに使われる。沿岸ではコンブワカメアワビを採取。観光客も多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尻屋崎」の意味・わかりやすい解説

尻屋崎
しりやざき

青森県北東部、下北半島の北東端にある岬。尻矢、志利屋とも書き、アイヌ語の「絶壁のある港」の意という。一帯は石灰岩からなる高さ約20メートルの海食台が続き、海中には大小の岩塊や岩礁が多く、豪快な海岸美をみせ、下北半島国定公園域になっている。昔から暗礁が多く航海上の難所とされ、岬の突端には1876年(明治9)に尻屋埼灯台が置かれた。沿岸では海藻やアワビ、ウニなどの磯漁(いそりょう)が行われていたが、最近は背後の桑畑山の石灰岩の採掘やセメント工場で働く者が多い。岬と桑畑山間の台地には芝生や松林で覆われた砂丘があり、牛や馬の放牧場となっている。ここで放牧されている馬を寒立馬(かんだちめ)という。

[横山 弘]


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百科事典マイペディア 「尻屋崎」の意味・わかりやすい解説

尻屋崎【しりやざき】

青森県下北半島北東端の岬。標高20m前後の段丘面上は馬の放牧に利用される。付近に石灰岩を産し,尻屋岬港からおもに室蘭の製鉄所へ積み出される。江戸時代には船遠見番所が置かれていた。近海は岩礁が多く霧が発生しやすい航海の難所で,突端に光達距離18カイリの灯台がある。
→関連項目東通[村]

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