普及版 字通 「尺(漢字)」の読み・字形・画数・意味
尺
常用漢字 4画
[字訓] ものさし・ちいさい
[説文解字]
[字形] 象形
手の指の拇指(おやゆび)と中指とを展(ひら)いた形。上部は手首、下部は両指を又状に展いた形で、わが国の「あた(咫)」にあたり、寸の十倍。寸は一本の指の幅。わが国の「つか(握、指四本の幅)」の四分の一にあたる。〔説文〕八下に「十寸なり。人の手、十を卻(しりぞ)きたる動を寸口と爲す。十寸を尺と爲す。尺は規(きく)(ものさし)の事を指尺(しせき)(斥)する以なり。尸(し)に從ひ、乙(いつ)に從ふ。乙は(しる)すなり。の制、寸尺咫(しじん)常仞の度量、皆人の體を以て法と爲す」といい、尺を尸と乙に従う字とするが、それでは字の形義を説きがたい。尺(せきかく)は尺とり虫。指間を展く形が、この虫の進むときの姿勢に似ている。
[訓義]
1. しゃく、十寸の長さ。寸は指の幅。ものさし。
2. 小さい、尺の長さのもの、手紙など。
3. 寸法、法則。
4. 年齢に換算して二歳半~三歳。六尺の孤は十五以下。丈夫は三十歳、壮という。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕尺 辨色立に云ふ、尺は竹の量なり、太加波可利(たかはかり)〔名義抄〕尺 十寸、タカバカリ/曲尺 マガリガネ 〔字鏡〕尺 タカバカリ・ユラフ 〔字鏡集〕尺 タカバカリ・サダム
[部首]
〔説文〕〔玉〕に咫の一字を属する。釋の略体を釈に作るのは、尺thjyak、釈sjyakの声が近いからである。
[熟語]
尺八▶・尺▶・尺一▶・尺景▶・尺▶・尺簡▶・尺函▶・尺▶・尺▶・尺玉▶・尺▶・尺▶・尺口▶・尺▶・尺紙▶・尺二▶・尺書▶・尺進▶・尺薪▶・尺刃▶・尺燼▶・尺寸▶・尺籍▶・尺雪▶・尺素▶・尺宅▶・尺沢▶・尺地▶・尺楮▶・尺牒▶・尺鉄▶・尺椽▶・尺土▶・尺度▶・尺牘▶・尺波▶・尺帛▶・尺板▶・尺兵▶・尺璧▶・尺脈▶・尺鯉▶
[下接語]
盈尺・曲尺・径尺・鯨尺・五尺・三尺・咫尺・指尺・七尺・縮尺・準尺・書尺・縄尺・数尺・鈿尺・刀尺・八尺・百尺・法尺・六尺
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報