精選版 日本国語大辞典 「尤」の意味・読み・例文・類語
けや‐け・い【尤】
〘形口〙 けやけ・し 〘形ク〙 (「けや」「けやか」と同根)
① 著しく普通とは異なっている。異様できわだっている。
※源氏(1001‐14頃)胡蝶「めざましかるべき際(きは)は、けやけうなども覚えけれ」
② 態度や様子が普通と変わって悪くはなはだしい。
(イ) 感情を害するさまである。態度がしゃくである。
※夜の寝覚(1045‐68頃)四「『さなめり』と心えて、后宮も、いといみじくけやけく、つらしと思し」
(ロ) 様子が醜悪である。気味が悪い。
③ ぬきんでてよい。高貴である。すばらしい。
※書紀(720)応神四〇年正月(北野本訓)「長(ひととなれる)と少(いとけなき)と孰(いづれ)か尤(ケヤケキ)(〈別訓〉うつくしき)」
④ はっきりしている。きっぱりしている。
※徒然草(1331頃)一四一「人の言ふほどの事、けやけく否(いな)びがたくて」
けやけ‐さ
〘名〙
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