少年法(読み)しょうねんほう

精選版 日本国語大辞典 「少年法」の意味・読み・例文・類語

しょうねん‐ほう セウネンハフ【少年法】

〘名〙 少年の健全な育成をはかるため、非行のある少年の保護や、少年および少年の福祉を害する成人の刑事事件について、特別な措置などを規定した法律。大正一一年(一九二二)制定の旧法を、昭和二三年(一九四八)、平成一二年(二〇〇〇)に改正。

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デジタル大辞泉 「少年法」の意味・読み・例文・類語

しょうねん‐ほう〔セウネンハフ〕【少年法】

少年の健全な育成を図るため、非行のある少年に対する保護処分少年の刑事事件に関する特別な手続きや処分について定めた法律。現行法は昭和23年(1948)制定で、大正11年(1922)制定の旧法を全改したもの。対象は20歳未満の者。→少年2
[補説]平成26年(2014)の改正で不定期刑の上限が10年から15年に、有期刑の上限が15年から20年に引き上げられた。令和4年(2022)には、民法成年引き下げに合わせ、18歳・19歳の者が特定少年と位置づけられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「少年法」の意味・わかりやすい解説

少年法
しょうねんほう

非行少年について特別の処分や手続を規定した法律。昭和23年法律第168号。

沿革

少年(性別は不問)に対しては成人と異なる方策を制度的に講ずるという考え方は、歴史的に古くから行われていたが、とくに19世紀に入ると、それ以前の刑罰主義を離れ、保護主義へと移っていく。この保護主義の礎(いしずえ)となったのは、衡平法(エクイティequity、英米法の法体系)に由来する「国親(祖国の親)」(パレンス・パトリエparens patriae)の思想であったといわれている。すなわち、国は少年に対する関係において究極的には「親」であり、扶助を要する少年(要扶助少年)、親その他の保護者たるべき者がその責任を果たさず放任されている少年(放任少年)、非行を行い保護の必要性がある少年(非行少年)に対しては、国が両親その他の保護者にかわって保護を与える責任があるという考え方である。これに基づいて1899年に誕生したシカゴ少年裁判所法は、刑罰主義から保護主義への転換を制度的に実現したものとして画期的な意義をもつものとされる。

 19世紀の末ごろから20世紀の初期にかけて、世界各国に少年法制定の動きが活発になる。日本では、明治10年代(1877~1886年ごろ)から民間の宗教家が非行少年に対する教育保護事業を実践してきたが、1900年(明治33)には感化法が制定され法的整備のきっかけとなった。しかし、感化院の設置は各府県の任意にゆだねられたため、ほとんど実績はなく、1880年(明治13)制定の旧刑法による懲治場(ちょうじじょう)の制度を活用するという刑罰主義にとどまっていた。1907年の現行刑法になると懲治場の制度は廃止され、これに伴う感化法の改正により、全国各府県に感化院が設置されることになり、さらに、1922年(大正11)には少年法と矯正院法が制定された。ただし、当時はまだ保護主義よりも刑罰主義が優先され、最初から全国的に行われたのは刑事処分に関する部分だけであった。保護処分に関する部分は、東京・神奈川・大阪・京都・兵庫の3府2県に施行されたにとどまり、少年審判所も東京・大阪の2か所に設置されただけであって、これが全国的に行われるようになったのは1942年(昭和17)からである。

[須々木主一・小西暁和 2022年6月22日]

第二次世界大戦後の少年法

第二次世界大戦後、アメリカの影響により、1948年(昭和23)少年法が全面的に改正された。この少年法は、少年の健全育成を目的として、少年の保護事件、少年の福祉を害する成人の刑事事件、少年の刑事事件の三者について規定していた。旧少年法に対するその特徴は、第一に保護主義の徹底、第二に科学主義の採用、第三に少年の人権保障への配慮である。旧法は少年の年齢を18歳未満としていたが、新法はこれを20歳未満に引き上げ、罪を犯した少年に対する検察官先議の制度を改めて、家庭裁判所にその先議権を与えた。14歳未満の少年に対しては原則として児童福祉法上の措置がとられる。科学主義の採用は、旧法にもその意図がみられなかったわけではないが、現行法は、このたてまえを重視し、手続の初期の段階から、家庭裁判所調査官、保護観察官、少年鑑別所法務技官など、行動科学の専門家が、一貫して、手続決定や保護処分選択・決定に重要な役割を果たすようにしている。

 さらに、新法は、保護処分決定機関を、行政機関である少年審判所から司法機関である家庭裁判所に移し、審判の段階と執行の段階とを区別するとともに、呼出し・同行について令状主義を導入し、証人尋問、鑑定、押収、捜索等について保護事件の性質に反しない限り刑事訴訟法の規定を準用する。また、保護処分の決定に対し抗告の制度を新設した。これらは、いかに保護的とはいえ、保護処分が少年自身にとっては不利益な措置である点を配慮したものである。なお、保護処分の内容を保護観察、教護院・養護施設(1997年6月の児童福祉法改正に伴い、1998年4月よりそれぞれ児童自立支援施設児童養護施設に改称された)送致、少年院送致の3種類に整理したのも改正点の一つである。刑事処分についても種々の変更がみられるが、寛刑主義・不定期刑主義をとり、早期仮釈放制度が設けられている点は旧法と類似している。

 少年審判は全過程が保護の過程であると理解されているため、非形式主義・非公開主義がとられ、「審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない」(少年法22条1項)とされる。

[須々木主一・小西暁和 2022年6月22日]

少年法改正の動向

法務省は1966年(昭和41)5月「現行少年法改正に関する構想」を発表、その後、1970年6月「少年法改正要綱」を発表、法制審議会に諮問し、1976年11月には「中間報告」を得た。内容は、18歳以上の少年の事件については少年審判手続上で18歳未満の少年の事件とはある程度異なる特別の取扱いをする、少年審判に国選・必要的付添人の制度を導入する、保護処分を多様化する、などであるが、これには各界からの反対が強く、法律改正のための成案を得るに至らなかった。しかし、1990年代に至り、凶悪な少年事件が頻発しているとの報道が増加したことや、複雑な事件における事実認定の困難さなど少年審判手続上の不備が明らかになってきたことから、少年法改正の気運が高まり、その結果、1998年(平成10)7月、法務大臣から法制審議会に対する少年法の部分改正についての諮問、同年12月の「少年法改正要綱」の決定、翌1999年1月の「少年審判における事実認定手続の一層の適正化を図るための少年法の整備等に関する要綱骨子」の答申などを経て、2000年(平成12)11月には議員立法による改正少年法が成立した(2001年4月施行)。その内容は、
(1)事件を検察官に送致するために必要な少年の年齢(逆送年齢)の逆送決定時16歳から犯行時14歳への引下げ、
(2)犯行時16歳以上の少年が故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた罪の事件について原則的に検察官送致決定を行う制度の導入、
(3)検察官および弁護士たる付添人が関与する審理の導入、
(4)裁定合議制度(必要な場合には3人の裁判官による合議体で審判を行う)の導入、
(5)観護措置期間の延長、
(6)事実認定に関しての検察官による抗告受理の申立て制度の創設、
(7)保護処分終了後における救済手続の整備、
(8)被害者等による記録の閲覧・謄写、
(9)被害者等の申出による意見の聴取、
(10)被害者等への審判結果等の通知、
などである。

 また、2007年5月にも、
(1)触法少年(14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年)の事件に関する警察官に対する調査権の付与、
(2)保護処分として保護観察に付された少年に遵守事項違反がある場合に、施設収容とする保護処分への変更を、一定の要件の下で認める制度の導入、
(3)少年院送致年齢の下限を「14歳」から「おおむね12歳」に引下げ、
などの内容の一部改正が行われた(同年11月施行)。

 2008年6月には、犯罪被害者保護の拡充を図る少年法の一部改正が行われ(同年12月施行)、被害者等による少年審判の傍聴などが認められることになった。なお、2008年の改正では、少年の福祉を害する成人の刑事事件に関する規定が少年法から削除された。2014年4月にも、少年法の一部改正により、検察官および弁護士たる付添人が関与する審理についての対象事件の範囲拡大など(同年6月施行)とともに、少年に対する有期刑の上限の引上げなど(同年5月施行)が行われることになった。さらに、民法上で成年年齢を18歳へと引き下げたことなどを踏まえ、2021年(令和3)5月には、少年法の一部改正により、18歳・19歳の者を「特定少年」として位置づけて、保護処分・刑事処分などにおいて18歳未満の者とも20歳以上の者とも異なる取扱いをすることとなった(2022年4月施行)。これらの改正を通じて「少年保護司法」が「刑事司法」化・厳罰化してきていることが指摘されている。

[須々木主一・小西暁和 2022年6月22日]

『団藤重光・村井敏邦・斉藤豊治著『ちょっと待って少年法「改正」』(1999・日本評論社)』『団藤重光・村井敏邦・斉藤豊治他著『「改正」少年法を批判する』(2000・日本評論社)』『猪瀬愼一郎・森田明・佐伯仁志編『少年法のあらたな展開――理論・手続・処遇』(2001・有斐閣)』『団藤重光他著『OD版 新版 少年法』第2版(2001・有斐閣)』『田宮裕編『OD版 少年法 条文解説』(2001・有斐閣)』『平場安治著『OD版 少年法 新版』(2001・有斐閣)』『葛野尋之著『少年司法の再構築』(2003・日本評論社)』『斉藤豊治・守屋克彦編著『少年法の課題と展望1・2』(2005、2006・成文堂)』『葛野尋之編『少年司法改革の検証と展望』(2006・日本評論社)』『若穂井透著『少年法改正の争点――司法福祉と児童福祉の課題は何か』(2006・現代人文社、大学図書発売)』『葛野尋之著『少年司法における参加と修復』(2009・日本評論社)』『丸山雅夫著『少年法講義』第2版(2012・成文堂)』『守屋克彦・斉藤豊治編集代表『コンメンタール少年法』(2012・現代人文社)』『丸山雅夫著『ブリッジブック少年法入門』(2013・信山社)』『武内謙治著『少年司法における保護の構造――適正手続・成長発達権保障と少年司法改革の展望』(2014・日本評論社)』『本庄武著『少年に対する刑事処分』(2014・現代人文社、大学図書発売)』『武内謙治著『少年法講義』(2015・日本評論社)』『川出敏裕著『少年法』(2015・有斐閣)』『澤登俊雄著『少年法入門』第6版(2015・有斐閣)』『田宮裕・廣瀬健二編『注釈少年法』第4版(2017・有斐閣)』『守山正・後藤弘子編著『ビギナーズ少年法』第3版(2017・成文堂)』『葛野尋之・武内謙治・本庄武編著『少年法適用年齢引下げ・総批判』(2020・現代人文社、大学図書発売)』『服部朗著『少年法、融合分野としての』(2021・成文堂)』『片山徒有編集代表『18・19歳非行少年は、厳罰化で立ち直れるか』(2021・現代人文社、大学図書発売)』『廣瀬健二著『少年法』(2021・成文堂)』『丸山雅夫著『少年法講義』第4版(2022・成文堂)』『廣瀬健二著『少年法入門』(岩波新書)』

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改訂新版 世界大百科事典 「少年法」の意味・わかりやすい解説

少年法 (しょうねんほう)

少年の健全な育成を期し,非行のある少年に対して性格の矯正および環境の調整に関する保護処分を行うための〈少年審判〉の手続を定めるとともに,少年の刑事事件および少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とした法律(1948公布)。このうち,少年および成人の刑事事件に関する規定は,刑法・刑事訴訟法を補充,修正するためのものにとどまり,少年法の中核をなしているのは,少年審判すなわち少年の保護事件に関する定めである(その手続の概要は〈少年審判〉の項参照)。少年が人格形成の途上にあり可塑性に富む点に着目し,犯罪や非行におちいった少年に対し刑罰を科するのではなく,少年の福祉と保護・教育という観点から,個別的に少年の特性に適した処置を施してその改善を図るという考え方は,1899年アメリカ合衆国のシカゴに世界最初の少年裁判所制度が創設されて以来,20世紀の初頭にかけて合衆国諸州やヨーロッパ諸国に広がっていった(1905年デンマーク少年法,1912年フランス,オーストリア,ベルギーの少年裁判所法等)。日本では,1907年,穂積陳重によってアメリカ合衆国の少年裁判所制度が紹介され,13年にはすでに少年法案が立案されていた。またこれに先だち,民間の主導による感化院設置運動や感化法の制定等現在の児童福祉法上の少年教護につらなる内務省系統の施策も行われていた。そして22年,日本の少年保護に関する最初の立法として旧〈少年法〉が制定され,〈保護処分〉を行うための機関として司法省の下に〈少年審判所〉が設けられることになった。旧少年法は,刑事の補充立法としての性格も濃厚で,刑事政策的に非行少年に対し特別の保護を加えようとするものであった。16歳以上の少年と殺人・強盗など重い罪を犯した少年に関しては,少年審判所の審判に付すか通常の裁判所に起訴するかの判断は,検察官にゆだねられていたのである。しかし一方で,少年法は各種の保護処分を規定するとともに,少年の調査・観察を行う〈少年保護司〉を設けた。そして少年審判所は,準司法的な機関として少年保護のために機能していた。

 現行少年法は,第2次大戦後の法改革の一環として,48年に旧少年法の全面的な改正によって成立した。現行法は,旧法における少年審判所の機能を裁判所が果たすべきものとする考えに基づき,少年審判は行政機関ではなく新設された〈家庭裁判所〉が行うこととした。この結果,保護処分の決定は家庭裁判所が行い,その執行は行政機関が行うという形で処分の決定と執行が分離された。また,少年を保護処分に付するか刑事処分に付するかの決定も家庭裁判所が行うこととなり,検察官は家庭裁判所の判断に服して行動しなければならなくなった。このほか現行法は,少年の年齢を満18歳未満から20歳未満に引き上げ,少年の健全な育成という目的において共通する〈児童福祉法〉との関係を深めて相互の調整を図る規定を設け,さらに保護処分の種類を整理して,(1)保護観察,(2)教護院(1997年改正により児童自立支援施設)または養護施設(同じく児童養護施設)送致,(3)少年院送致の3種を定めるとともに,保護処分の決定に対して抗告を認めた。また保護事件の調査に,医学,心理学,教育学,社会学その他の専門知識を活用すべきことを明示し,〈家庭裁判所調査官〉と〈少年鑑別所〉の制度を設けて科学的な調査の機構を充実させた点も大きな特色である。

 なお,少年および少年の福祉を害する成人の刑事事件に関しては,(1)すでに述べた少年の被疑事件をすべて家庭裁判所に送致して,処分の選択をゆだねる定め(全件送致主義)のほかに,(2)少年に刑罰を科する場合,18歳未満の少年に対しては死刑を科さず,また少年に対して長期3年以上の有期の懲役または禁錮をもって処断すべきときは長期と短期を定めた不定期刑を科し,刑の執行はとくに設けた〈少年刑務所〉において行うこと,(3)少年の福祉を害する成人の刑事事件については,家庭裁判所に起訴することが定められている。
非行
執筆者: 2001年施行の改正少年法で,(1)刑事罰の適用年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げる,(2)16歳以上の少年が故意の犯行で被害者を死亡させた場合,原則として検察官に送致(逆送)して刑事裁判にかける,(3)重大な事件については,少年審判に検察官を出席させることができる,などが定められた。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「少年法」の意味・わかりやすい解説

少年法【しょうねんほう】

少年の健全な育成を期し,非行のある少年に対して性格の矯正および環境の調整に関する保護処分を行うとともに,少年および少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする法律(1948年公布,1949年施行)。米国の少年裁判所制度を参考に,旧法(1922)に代わり制定。少年とは20歳未満の者をいい,罪を犯した犯罪少年,14歳未満で刑罰法令に触れる行為のあった触法少年,罪を犯す虞(おそ)れのある虞犯(ぐはん)少年を家庭裁判所で審判し,それぞれ必要な保護処分をする。近年,現行法の年齢の18歳未満への引下げや適正な法手続が保障されているかどうかなどが問題となっている。2000年の改正により刑事罰の対象年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられ,また16歳以上の少年が〈故意の犯罪で人を死亡させた場合〉は,原則として刑事裁判にかけるために少年を検察に送るなど,大きな変更がなされた。
→関連項目家庭裁判所死刑少年鑑別所少年刑務所非行不定期刑保安処分未成年者

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「少年法」の意味・わかりやすい解説

少年法
しょうねんほう

昭和23年法律168号。少年(20歳未満)の犯罪者(→犯罪少年),14歳未満で刑罰法令にふれる行為をした者(→触法少年),または将来罪を犯したり,刑罰法令にふれる行為をするおそれのある少年(→虞犯少年)に対して,保護処分をとるとともに,刑事事件について成人とは異なる特別の措置を講ずることを目的とする。日本の少年法は,イギリス・アメリカ合衆国型あるいは北ヨーロッパ型の福祉法的起源と,大陸型の刑事法的起源とが合流したもので,その中間的性格をもつ。少年犯罪の凶悪化を背景に 2000年,刑事罰対象年齢を 16歳以上から 14歳以上に引き下げ,また故意の犯罪行為により被害者を死亡させた 16歳以上の少年については原則として検察官に送致するなど,厳罰化を柱とする改正法が成立した。

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世界大百科事典(旧版)内の少年法の言及

【矯正教育】より

…しかし,公立感化院教育も懲戒的要素が強く,その成績は不振であった。やがて先進資本主義諸国における少年裁判所運動の影響をうけて,日本でも22年に少年法および矯正院法が制定された。ここに初めて矯正教育に値する体裁が整ったが,その目的とするところは社会防衛の枠内での教育であり,厳格な規律の下での教化的訓練を主眼とした。…

【非行】より

…その行為の主体者を非行者delinquentといい,少年にも成人にもあてはまるが,一般には青少年の反規範行為に対して用いられ,〈少年非行juvenile delinquency〉という場合が多い。日本の少年法では,(1)14歳以上20歳未満で刑法に触れる罪を犯した少年を〈犯罪少年〉,(2)14歳未満で刑法に触れる行為をした少年を〈触法少年〉,(3)保護者への反抗や不良交遊等の傾向が強く将来罪を犯すおそれのある少年を〈虞犯(ぐはん)少年〉と規定している。
[少年非行の動向と特徴]
 第2次大戦後における少年非行の推移を刑法犯検挙人員の人口比(人口1000人に対する割合)でみると,三つの大きな波がみられる。…

※「少年法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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