小鳥前生譚(読み)ことりぜんしょうたん

世界大百科事典(旧版)内の小鳥前生譚の言及

【鳥】より

…その場合,熊野のカラス,八幡のハト,愛宕(あたご)のトビのように,特定の神と鳥との結びつきが見られるが,とくに白い鳥は神寵を受けたものとして神聖視された。このような鳥を霊物視する自然観を基盤として,鳥の鳴き声,色彩,習性などの由来を説く〈小鳥前生譚〉の昔話が,日本には数多く伝承されてきた。人間であったときの苦悩や怨恨,後悔の思いを,死後鳥となってみずから語り続け,また生前の所業の報いを鳥となって現に受けているとするこの昔話は,次の三つの点で注意される。…

【ホトトギス】より

…俳句雑誌。松山の俳句団体松風会を母体とし,正岡子規を指導者として,1897年1月に創刊。翌年10月東京に移して高浜虚子が経営。俳句とともに,文章にも力を注いだ。文章では,子規の枕頭で〈山会〉と名付けた文章会も開き写生文を推進した。1902年の子規没後,虚子と河東碧梧桐の対立が誌上で表面化したが,碧梧桐が同誌から遠ざかり,虚子は小説に力を注いだ。小説誌の方向をたどる契機は,直接には夏目漱石の《吾輩は猫である》(1905)を掲載し好評を博したことで,以後,伊藤左千夫の《野菊の墓》(1906),鈴木三重吉の《千鳥》(1906),虚子の《風流懺法》(1907)など同派の作や,ほかに森鷗外の作品も載せ,同時代の自然主義文学と別趣の世界を見せた。…

【時鳥と兄弟】より

…小鳥前生譚に属する動物昔話。盲目の兄が弟の好意を邪推,弟の腹を割いて殺した後,真実を知ってホトトギスに化し“弟恋し”と毎日八千八声鳴くという話。…

※「小鳥前生譚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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