小路名(読み)こうじな

精選版 日本国語大辞典 「小路名」の意味・読み・例文・類語

こうじ‐な こうぢ‥【小路名】

〘名〙
書面宛名(あてな)に、その人の名を書かないで、その人の住む所の名を書いて敬意を表わすこと。一条に住む人にあてて一条殿と書くなど。
※宗五大草紙(1528)書札之事「或人々御中、或御宿所、或小路名、又御返報などと書いて」
宮中女官を呼称するのにあてた京都の小路の名。春日(かすが)京極高倉など。
禁秘鈔(1221)上「禁中無小路名
※とはずがたり(14C前)一「我くらゐあさく候ふゆゑに、〈略〉こうち名をつくべきにあらず候ふ」

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デジタル大辞泉 「小路名」の意味・読み・例文・類語

こうじ‐な〔こうぢ‐〕【小路名】

書状の宛名に官名姓名などを書かないで、その人の住む所の名を書いて敬意を表すこと。一条に住む人にあてて「一条殿」とするなど。
宮中・院の女房に京の小路の名をつけて呼んだもの。春日かすが・高倉など。

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世界大百科事典(旧版)内の小路名の言及

【源氏名】より

…もとは《源氏物語》の帖名をとって命名したので源氏名という。宮中の女官には候名(さぶらいな)・殿名(とのな)・小路名(こうじな)などの使用例があり,源氏名もそうした形式の一種であろう。帖名の使用にも典侍・掌侍は漢字2字をつけ,命婦は1字というように定めた時期もある。…

※「小路名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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