小舞(建築)(読み)こまい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小舞(建築)」の意味・わかりやすい解説

小舞(建築)
こまい

屋根や壁の下地で、竹や貫(ぬき)を縦・横に組んだもの。使用される竹や縄などの種類によって数寄屋真壁(すきやまかべ)小舞や真壁小舞などの名称がある。壁の小舞下地は和風真壁造の代表的構法で、通し貫をもとに間(ま)渡し竹を縦横に30センチメートル間隔で組み、これに小舞竹を3~4センチメートルぐらいの間隔で取り付ける。これらの接合には小舞縄(藁縄(わらなわ))を用いる。関東と関西では竹の種類や入れる本数が異なる。また、屋根裏板や杮板(こけらいた)などを取り付けるために、垂木(たるき)の上に横に渡す桟を屋根小舞という。軒先の垂木の上に横に渡した部材は小舞より幅が広く、広小舞とよび区別している。

中村 仁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の小舞(建築)の言及

【壁】より

…仕上部分の構成方法に着目すると,石,煉瓦を積む壁,板やボード類を張る壁,タイルなどを張る壁,プラスターなどの左官材を塗る壁,紙,布をはる壁などに分けることができる。また下地部分の構成方法としては,板やボード類を受ける胴縁,板胴縁など線状の下地,木ずり,小舞壁の下地,ラスボードなど左官材の食込代(くいこみしろ)をもった面状の下地,紙,布やタイル類を受けるボード類,モルタルなどの面状の下地などがある。下地としては,このほかに積まれた石類とコンクリートとの間に充てんされるモルタルのように,あるいは壁の機能を補強する目的で挿入される断熱材や防湿材のように,結果として下地に相当する位置を占めるものもある。…

※「小舞(建築)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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