精選版 日本国語大辞典 「小田原城」の意味・読み・例文・類語
おだわら‐じょう をだはらジャウ【小田原城】
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北条早雲に始まる後北条氏5代の本城で,近世に入って大久保忠世以下,10万石前後の譜代大名の居城(一時は番城)となった。後北条氏以前,大森氏時代の山城は,後の城の西部に位置する小峰山付近と推定され,北条氏はこれを拡張して山地と平地を結んで大きな城郭にした。南西に早川,北東に山王川,南東は一直線の海岸で,北西部は箱根の外輪山に連なる山地である。ここに,八幡山旧本丸,本丸(近世),城米郭,二の丸,三の丸など,囲郭式に諸郭があり,外側の三の丸の規模で,およそ東西1500m,南北800mである。その外に,南東の海岸線を底辺としたかまぼこ状に巨大な大外郭の堀・土塁(堀幅約6m)をめぐらしている。この規模は南西-北東,北西-南東とも約1800mで,周囲約9kmに及ぶ。この中にすっぽりと城下町までも含みこんでいる。この堀・土塁は豊臣秀吉の侵攻に備えて急きょ構築されたものと考えられる。
この城は,1561年(永禄4)の上杉謙信,69年の武田信玄の攻撃に耐えた。しかし90年(天正18)の豊臣秀吉の水陸15万の包囲攻撃を受けて,約3ヵ月の籠城の末降伏した。秀吉は早川の対岸に石垣山城(一夜城)を築き,ここを本陣として攻め立てた。大外郭の堀は1614年(慶長19)に破却された。
執筆者:峰岸 純夫
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鎌倉期から江戸期の城。神奈川県小田原市城内にある。城の起源は明確でないが、源頼朝(よりとも)の挙兵を助けた土肥実平(どいさねひら)の嫡男小早川遠平(こばやかわとおひら)が早川荘(しょう)の総預所(あずかりどころ)となって築城したのが初めといわれている。鎌倉~南北朝期は土肥、小早川の一族が拠(よ)っていたが、その土肥氏も1416年(応永23)の上杉禅秀(ぜんしゅう)の乱のとき、禅秀に味方して敗れ、土地を没収され、乱の平定に功のあった大森頼明(よりあき)に与えられることになった。大森氏は扇谷(おうぎがやつ)上杉氏の重臣であった。小田原城に入ったのは頼明の子頼春で、以来、5代80年にわたり大森氏の時代が続いた。1495年(明応4)伊豆韮山(にらやま)城を本拠とする伊勢(いせ)新九郎(北条早雲(そううん))が鹿(しか)狩りと称して小田原城背後の箱根に兵を送り、城を急襲して奪った。これより北条氏の城となり、氏綱(うじつな)、氏康(うじやす)、氏政(うじまさ)、氏直(うじなお)と相伝していったのである。戦国期の城の中心は江戸期の本丸(現在復興天守の建つ位置)ではなく、小峯山、八幡山のほうであった。北条氏在城時代、1561年(永禄4)には上杉謙信(けんしん)の、69年には武田信玄(しんげん)の軍勢に囲まれたが、これを撃退している。1590年(天正18)豊臣(とよとみ)秀吉の21万の大軍に囲まれ開城、北条氏は滅亡した。城下町全体を包み込んだ大外郭(総構(そうがまえ))が特徴。江戸期は大久保、阿部、稲葉氏など譜代(ふだい)大名が入った。1960年(昭和35)3層の天守閣が、また71年には常盤木(ときわぎ)門が復原された。
[小和田哲男]
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神奈川県小田原市にあった中世~近世の城館。戦国大名の後北条氏の本拠。1495年(明応4)北条早雲が大森藤頼を襲い,奪った。2代氏綱以後に改修・拡張を重ね,最盛期には総延長約10kmの総構(そうがまえ)をもつ大城館となった。主郭は現在の八幡山にあった。1590年(天正18)豊臣秀吉に攻められ開城。江戸時代は大久保氏や稲葉氏などが入城し,江戸の西の守りをはたしたが,1870年(明治3)廃城。各所で発掘調査が行われ,障子堀などの遺構や多種にわたる遺物が発見された。出土した陶磁器は大森氏時代の15世紀から,19世紀後半の長期にわたる。城跡は国史跡。
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…特産品にはほかに,かまぼこ,梅干しなどがある。60年に天守閣が復元された小田原城の城跡は史跡に指定され,続いて本丸・二の丸の整備がはかられている。市内には報徳博物館・小田原文学館・松永記念館などがあり,市の北東郊の二宮尊徳の生家,曾我の梅林などとともに観光客を集めている。…
※「小田原城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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