小港(読み)しょうこう

精選版 日本国語大辞典 「小港」の意味・読み・例文・類語

しょう‐こう セウカウ【小港】

〘名〙 規模の小さい港。
東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉二「美屋を建築し、寛街を脩繕し、人烟稠密、商戸櫛比、数年にして新小港を為す」

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日本歴史地名大系 「小港」の解説


おたるこう

小樽湾にある重要港湾。開拓期以来の漁港・商港として整備された北海道西海岸の有力な港湾であった。その前身は手宮てみや港で、明治二年(一八六九)八月開拓使により今後同港や函館などで運上の取扱を行うことが決定された(「開拓使日誌」同年九月条、「事業略記」)。これが手宮の海官所で(開拓使布令録)、本州以南からの船舶が直接手宮に入港することが可能となった。同三年一二月海関所と改めた(事業報告布令類聚)。同四年の「春日紀行」に「港門(中略)深七、八尋ヨリ五、四尋、有幌、信香ノ二地商船数百ヲ停ム」とあるが、底質が悪く、色内いろない・手宮のほうが投錨しやすいとしている(同年六月一七日条)。これにより福山や江差の商人が小樽に移住するようになり、手宮と隣接する色内方面が発展し始めた。同五年小樽港改称(「開拓使日誌」同年六月二二日条)。同五年より小樽港を含む海関所が置かれた六港は取扱う輸出入物品について免税とされていたが(外国貿易は除く)、同八年から収税することが指示され、道の諸産物(鉱属類・穀類・麻・卵紙・生糸・器具を除く)を他府県に移出する場合、当港などの船改所(海関所改め)で出港税(其原価百分ノ四)を納めることとしている(「開拓使日誌」同年二月四日条)。明治六年常灯室が設置され(「事業報告」第四編)、また色内に波止場、同一〇年に手宮の波止場が完成した。

明治一一年北海道産の石炭・木材などの外国に輸出できる特許が小樽など五港に与えられた(事業略記)。手宮に北海道初の鉄道が開通するに伴い、明治一四年二四〇間の桟橋が築かれ、幌内炭の積出しも担うようになった(小樽市史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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