日本大百科全書(ニッポニカ) 「小泉苳三」の意味・わかりやすい解説
小泉苳三
こいずみとうぞう
(1894―1956)
歌人。本名藤造。横浜生まれ。東洋大学国文科卒業。文学博士。立命館大学、北京(ペキン)師範大学、関西(かんせい)学院大学教授。1913年(大正2)『車前草(しゃぜんそう)』、翌年『水甕(みずがめ)』同人となり、1922年『ポトナム』を創刊、主宰する。叙情性のある平明な歌風が特色。また、膨大な資料収集による近代短歌史研究に優れた業績を残した。歌集『夕潮』(1922)、『くさふじ』(1933)、『山西(さんせい)前線』(1940)、研究書に『明治大正短歌資料大成』全3巻(1940~42)、『近代短歌史・明治篇(へん)』(1955)などがある。
秋あさき山にむかひてなげかへるわが眼(め)ににほふ桔梗(きちかう)の花
[藤岡武雄]