小柴胡湯(読み)しょうさいことう

精選版 日本国語大辞典 「小柴胡湯」の意味・読み・例文・類語

しょうさいこ‐とう セウサイコタウ【小柴胡湯】

〘名〙 漢方薬方一つ柴胡・半夏・生姜黄芩大棗人参甘草からなる。子ども青少年の腺病体質の改善薬として効きめがある。

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「小柴胡湯」の解説

小柴胡湯

(大杉製薬、大峰堂薬品工業、クラシエ製薬、クラシエ薬品、康和薬通、小太郎漢方製薬、三和生薬、ジェーピーエス製薬、太虎精堂製薬、高砂薬業、ツムラ、帝國漢方製薬、帝國製薬、東洋薬行、本草製薬、松浦薬業)


 感冒かぜ)、気管支炎気管支喘息ぜんそく慢性の胃腸病肝機能障害腎臓病じんぞうびょうなどの治療薬です。


 食欲不振、全身の疲労倦怠感けんたいかん、ときに微熱吐き気などの症状を伴う各種の慢性疾患をもつ人で、胸脇苦満がみられる、比較的体力のある人に用います。


①体力が極端に衰えている人、ほかの薬を用いている人は、あらかじめ医師に報告してください。


②指示された期間用いても症状が改善しないときは、医師に報告してください。


③長期間用いているときに、血圧の上昇、むくみ、体重増加、脱力感、肝機能障害、黄疸、手足のけいれん麻痺まひなどの異常を感じたら、服用を中止し、すぐ医師に報告してください。とくに、発熱、せき、呼吸困難が現れたときは、間質性肺炎のおそれがあるので、服用を中止し、すぐに医師に報告しましょう。


インターフェロンを使用中の人で、肝硬変、肝ガン、慢性肝炎血小板数が10万/μl以下の人は、この薬を使用できません。

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百科事典マイペディア 「小柴胡湯」の意味・わかりやすい解説

小柴胡湯【しょうさいことう】

古代中国の医書《傷寒論(しょうかんろん)》に記載される処方。柴胡(さいこ),人参(にんじん)など7種の薬物からなる。熱性の疾病が進展してある段階に達したときに与える処方で,抗生物質出現以前の肺結核症に多く用いられた。1976年,小柴胡湯は他の漢方エキス剤の健康保険適用とともに,病院・診療所で処方される道が開かれ,以来,年間売上高400億円以上になるほど多用されるようになった。1994年―1995年に,小柴胡湯エキス剤投与患者から88名の副作用発生が報告され,うち10名が死亡した。この事態に対し厚生省は緊急安全情報を発し,漢方薬は安全という神話が崩れたとして一般の話題になった。上記の事故は,東・西医学間の体系の相違を配慮せず,安易に与薬したことに原因があるとする声もある。
→関連項目漢方薬代替療法

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「小柴胡湯」の解説

しょうさいことう【小柴胡湯】

漢方薬の一つ。生薬(しょうやく)柴胡黄芩(おうごん)半夏(はんげ)人参(にんじん)甘草(かんぞう)生姜(しょうきょう)大棗(たいそう)などを含む。漢方の古典『傷寒論(しょうかんろん)』などに処方が示されている。慢性肝炎胃腸疾患感冒、種々の発熱、扁桃(へんとう)炎耳下腺(じかせん)炎気管支炎肺炎炎症疾患などに幅広く用い、胸部に圧痛と抵抗感があるとき、とくに有効とされる。体力は中程度の人がおもな対象。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小柴胡湯」の意味・わかりやすい解説

小柴胡湯
しょうさいことう

漢方における代表的な処方 (薬方) の一つ。漢方最古の原典『傷寒論』に示されたもので,柴胡 (さいこ。セリ科の多年草である和柴胡,唐柴胡の根。解熱作用がある) を中心に半夏 (はんげ。サトイモ科の多年草カラスビシャクの塊根) ,生姜 (しょうきょう。生のひねショウガ) ,大棗 (たいそう。ナツメの実) などを成分としている。中肉中背・体力中等度の人に合い,吐き気,食欲不振,胃の不調,疲労,倦怠感などにきく。漢方の処方は本来,症状を対象としているが,現代医学による病名としては慢性肝炎慢性腎炎などのほか,呼吸器の虚弱である気管支喘息,気管支炎などに効果があるとされる。

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デジタル大辞泉プラス 「小柴胡湯」の解説

小柴胡湯(しょうさいことう)

漢方薬のひとつ。肝炎、胃炎などの症状に処方される。

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