小普請金(読み)こぶしんきん

精選版 日本国語大辞典 「小普請金」の意味・読み・例文・類語

こぶしん‐きん【小普請金】

〘名〙 江戸時代小普請入りを命ぜられた旗本御家人が、その分限に応じ幕府に上納した金のこと。はじめ夫役(ぶやく)(=人足役)を出したが、元祿三年(一六九〇)から百石(俵)二両の割で金を上納することに改められた。なお、寄合に編入された旗本(三千石以上)が上納した金をも含めていうこともあり、寄合小普請金、寄合小普請役金とも併称された。小普請役金。

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デジタル大辞泉 「小普請金」の意味・読み・例文・類語

こぶしん‐きん【小普請金】

江戸幕府小普請費用として、非役旗本御家人に課した上納金

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世界大百科事典(旧版)内の小普請金の言及

【小普請】より

…組に分けて統率され,46年(延享3)組頭を組ごとに1人置いた。元来無役の旗本・御家人は営中その他の小普請に人足役を出す義務を負ったが,1675年(延宝3)高1000石につき金10両の金納に改めるよう計画され,90年(元禄3)より小普請金上納が実施された。知行高に応じ,20俵以下は免除,20~50俵は金2分,50~100俵は金1両,100~500俵は100俵につき金1両2分,500俵以上は同金2両の割合で,扶持方もこれに準じ,閉門・塞(ひつそく)のものは免除された。…

【旗本】より

…ただし,譜代大名から任命される大老,老中,若年寄,奏者番,寺社奉行,所司代,大坂城代など幕府の要職はこれを除く。無役の旗本は3000石以上・布衣(ほい)以上職は寄合組に,それ以下は小普請(こぶしん)組に編入され,知行高に応じた小普請金を幕府に上納した。 旗本知行所(旗本領)は分散相給(あいきゆう)形態で分布する傾向が強く,1人で数ヵ国に知行所をもつ者が44%もおり,村内でも他領との相給が多い。…

【寄合】より

…享保期(1716‐36)に禄高3000石以上は寄合,それ以下は小普請組として再編成された。100石につき2両の小普請金上納が通常の義務であったが,江戸城門・中川番所の警衛,駿府加番,御法事勤番,日光御門主差添,火事場見廻りなどを命ぜられることがあり,その場合は小普請金を免除された。1790年(寛政2)に寄合肝煎を置き,寄合の文武・行儀作法を取り締まらせた。…

※「小普請金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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