小手形(読み)こてがた

精選版 日本国語大辞典 「小手形」の意味・読み・例文・類語

こ‐てがた【小手形】

〘名〙 江戸時代村方の分納年貢を受け取った代官手代が発行する領収書。その小手形は年貢完済後に交付される皆済目録(皆済状)と引替えに回収されるが、年貢の受取年月日と領収額をそのつど記帳押印して渡す小帳を年貢通い帳といった。〔地方凡例録(1794)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小手形の言及

【請取状】より

…ただし,返抄が中世的な年貢公事の収納証として,請取状と紛らわしい〈所納如件〉などという文言・形式をとる場合も多く,この区別はあいまいになっていく。また,近世社会では年貢収納証は年貢分納のたびごとに発給される小手形と,それと引替えに渡される村ごとの1年分の年貢皆済目録というシステムに整理され,普通の請取状は請取証文,請取手形といわれることが多く,長文にわたる場合もあるなど,請取状の様相は一変する。【保立 道久】。…

【年貢皆済目録】より

…置証文(年季証文),当証文(一年季証文と長年季証文の最後の証文)と皆済目録との照合の後,勘定奉行に皆済届を出す。また代官役所は村方に対し上納のつど通帳に押切印形するか,小手形という受取書を発行し,皆済になると通帳・小手形と引替えに村方に皆済目録が下付された。これも年貢皆済目録というが,通常一紙書付である。…

※「小手形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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