小手・籠手(読み)こて

精選版 日本国語大辞典 「小手・籠手」の意味・読み・例文・類語

こ‐て【小手・籠手】

〘名〙
[一] (小手) 手首から肘(ひじ)までの称。特に手首。また、手首を縄で縛ること。肘から肩までをいう高手(たかて)に対する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
[二]
① 弓を射るとき、左手の肘にかける革製の道具。弓籠手(ゆごて)。手纏(たまき)。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※山科家礼記‐延徳三年(1491)八月二七日「弓しこなしうちき、こてさして左の袖かたへくりあけとちてみへたり」
甲冑に付属する小具足の一種。手全体を覆い包むもの。ふつうは、籠手袋という家地(いえじ)布帛(ふはく)の表面に鉄の座盤や肘金をつけ、その間を鎖でつなぐ。その形状によって、小田籠手・毘沙門籠手・産(うぶ)籠手・富永籠手・筏籠手・篠籠手・筒籠手・鎖籠手などの種類がある。てがい。こてあて。
※三代格‐一八・弘仁六年(815)二月一六日「冝腋楯小手脚纏一従停止。自今已後。立為永例
剣道の防具の一つ。左右の手にはめて、指先から肘のあたりまでを覆うもの。刺子(さしこ)でつくる。また、剣道の試合の決まり手の一つで、その上を打つこと。
初恋(1889)〈嵯峨之屋御室〉「竹刀の先へ面小手(コテ)を挟んで」
④ =こて(鏝)
歌舞伎御国入曾我中村(1825)三幕「腰をぶちましたから、どうぞ小手を当てて下さりませ」
[補注]もとは、(二)①の、弓を射る時に左の袖に弦が触れないように、矢を放った反動で回転する弦で左腕を打たぬように保護するための武具

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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