小師（読み）ショウシ

デジタル大辞泉

しょう‐し〔セウ‐〕【小師】

１ 仏語。具足戒を受けてから10年たたない者。
２ 自分の師を、他に対してへりくだっていう語。
「としごろ孝道をば、―につけまゐらせたる事にて候」〈著聞集・一五〉

こ‐じ【小師】

受戒してから10年未満で、まだ師を離れていない僧。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しょう‐し セウ‥【小師】

〘名〙

① 他人に対して、へりくだって自分の師をいう語。

※古今著聞集（1254）一五「としごろ孝道をば、小師につけまゐらせたる事にて候」

② 師のもとで、師を補助する者。

※台記‐久寿元年（1154）四月一一日「尋範僧都教_二三十頌_一。以_二蔵俊_一為_二小師_一」

③ 仏語。具足戒を受けてから一〇年たたない者。転じて、弟子をいう。また、沙門が自分をへりくだっていう語。

※正法眼蔵（1231‐53）陀羅尼「弟子小師、しかのごとく種々の拝をいたすといへども」 〔釈氏要覧‐上〕

④ 音楽をつかさどる周の官職の名。〔周礼‐春官・小師〕

こ‐じ【小師】

〘名〙 仏語。具足戒を受けて、一〇年に満たない僧。

※高野本平家（１３Ｃ前）七「経正の幼少の時、小師(コジ)でおはせし大納言法印行慶と申は」 〔南海寄帰内法伝‐三・受戒軌則〕

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の小師の言及

【楽師】より

…後世では音楽の師匠や演奏家一般を指すこともある。《周礼》春官には大司楽の下で下大夫の位にいるが，広義には楽師以下の大師，小師，磬師（けいし），笙師（しようし）などの師と付く楽人も包括して楽師と総称していたようである。その起源は《呂氏春秋》古楽に，黄帝時代の伝説上の人物で音律を定めた伶倫（れいりん）以下，歴代皇帝の音楽責任者の名が連なり，《史記》殷本紀にも楽師が周に逃げたと述べ，《史記》楽書に殷（いん）の楽師師延の名が見えるから，周朝の成立(前11世紀)以後に判定された雅楽をまたずともよいかもしれない。…

※「小師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」