小子(読み)しょうし

精選版 日本国語大辞典 「小子」の意味・読み・例文・類語

しょう‐し セウ‥【小子】

[1] 〘名〙
① 子ども。〔易経‐随卦〕
末子少子
太平記(14C後)三〇「其後御孫の小子帝位に即給ふ」
③ 令制で、四歳以上一六歳以下の男子の称。調・庸・徭役の義務を免除された。天平宝字元年(七五七)に一七歳まで延長された。
正倉院文書‐大宝二年(702)御野国味蜂間郡春部里戸籍「伍保上政戸石作部小麻呂戸口廿四 正丁四〈略〉小子一」
門人弟子。また、後世の学者。
※敬斎箴講義(17C後)「小子は門人弟子及び後世の学者をさす」 〔論語公冶長
[2] 〘代名〙
対称目上の者が目下の者をさしていう語。
※私聚百因縁集(1257)五「況んや我れは小子(セウシ)の所知(しょち)所解(しょげ)何ぞ多しと為(す)るに足らん」
② 自称。あらたまった時、自己をへりくだっていう語。
本朝文粋(1060頃)一三・北野天神供御幣并種々物文〈大江匡衡〉「今小子六十余、猶恨朝以不一レ幾」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙一九「小子(セウシ)近頃閑暇の折柄二三小説繙読(はんどく)して」 〔書経‐湯誓〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「小子」の意味・読み・例文・類語

しょう‐し〔セウ‐〕【小子】

[名]
子供
律令制で、4歳以上16歳以下の男子の称。
[代]
一人称人代名詞自分をへりくだっていう語。小生
「―近頃閑暇の折柄」〈逍遥当世書生気質
二人称の人代名詞。目上の者や師匠が目下の者や弟子をいう語。
「先生曰く、―しるせ、我その語を伝へん」〈洒・雑文穿袋〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「小子」の読み・字形・画数・意味

【小子】しよう(せう)し

子供。人を軽んじ、自らを卑下していう。師が弟子をよぶ語。〔論語、公冶長〕子、陳に在りて曰く、歸らん與(か)歸らん與。吾が黨の小子狂然(ひぜん)としてすも、之れを裁する以(ゆゑん)を知らず。

字通「小」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android