小坂(町)(読み)こさか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小坂(町)」の意味・わかりやすい解説

小坂(町)
こさか

秋田県北東部、鹿角郡(かづのぐん)にある町。北部は青森県に接する。1914年(大正3)町制施行。1955年(昭和30)七滝(ななたき)村と合併。国道282号と東北自動車道が町域の西部を並行し、小坂、小坂北インターチェンジがある。小坂ジャンクションで東北自動車道から秋田自動車道が分岐する。十和田湖(とわだこ)に沿って国道454号が走る。江戸時代は南部氏盛岡藩領で、藩営の小坂鉱山があり、その後鉱山町として消長を繰り返してきた。地下資源が豊富で、小坂鉱山のほか相内鉱山(あいないこうざん)、鉛山鉱山(なまりやまこうざん)、古遠部鉱山(ふるとおべこうざん)があり、金、銀、銅、鉛、亜鉛を産出する。1980年の粗鉱採掘量は約68万トン、鉱山従事者は約1300人を数えたが、資源の枯渇と安価な外国産鉱におされ、鉱山の閉山が相次いだ。現在は輸入鉱を用いた製錬所や金属資源リサイクル工場などが稼動している。農業は米作、野菜栽培、畜産などを行う。北東部には十和田湖がある。湖岸一帯は十和田八幡平(はちまんたい)国立公園域で、町の中心部から十和田湖大館樹海ラインが通じる。木造芝居小屋康楽館」と、洋館「旧小坂鉱山事務所」は明治時代建造物で、ともに国の重要文化財に指定されている。面積201.70平方キロメートル、人口4780(2020)。

[宮崎禮次郎]

『『小坂町史』(1975・小坂町)』


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