小名(読み)しょうみょう

精選版 日本国語大辞典 「小名」の意味・読み・例文・類語

しょう‐みょう セウミャウ【小名】

〘名〙 (「みょう」は「名」の呉音)
中世、比較的に勢力の小さい在地領主
※高野本平家(13C前)八「内侍には一門源氏上座して、末座大名小名(セウミャウ)なみゐたり」
江戸時代、一万石以上の大名の中で領地の少ないもの。小諸侯
御触書寛保集成‐慶長二〇年(1615)七月「国々の大名、小名并びに諸給人」

こ‐な【小名】

〘名〙 村や町を小分けした名のこと。小字(こあざ)。地字。坪名(つぼな)。⇔大名(おおな)
咄本・当世手打笑(1681)二「所は近江の者でござるといふ。いや、それでもなひ。ここの小名(コナ)の事じゃといへば」 〔地方凡例録(1794)〕

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デジタル大辞泉 「小名」の意味・読み・例文・類語

しょう‐みょう〔セウミヤウ〕【小名】

鎌倉・室町時代、規模の小さい在地領主。
江戸時代、大名うち、比較的領地の少ない者の称。
[類語]領主藩主藩侯城主殿様殿諸侯大名

こ‐な【小名】

村内町内を小分けした名。小字こあざ。⇔大名おおな

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世界大百科事典(旧版)内の小名の言及

【字】より

…例えば,宮城県の二,三の郡部の小字名についてみれば,2字の小字名は全体の4割程度である。つぎに《地方凡例録》の〈字之事〉によると,〈是は田畑其外山林野地等にても,地所の小名(こな)を字(あざな)と云,口上にては名所(などころ)とも,小名とも,下(さ)げ名とも申せども,帳面証文等に認るには字と書ことなり〉と記されている。また《玉勝間》に〈あざ名といふ物の事,其の外にも田地の字,何の字くれの字などいふも,皆正しく定まれる名としもなくて,よびならへるをいへり〉とある。…

※「小名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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