小二朱(読み)こにしゅ

精選版 日本国語大辞典 「小二朱」の意味・読み・例文・類語

こ‐にしゅ【小二朱】

〘名〙 小形二朱の意で、江戸時代文政七年(一八二四)から発行の「文政南鐐二朱銀」の俗称。明和九年(一七七二)から発行の「明和南鐐二朱銀」より小形になったために付けられた。なお別に同年新たに発行された「文政一朱金」にも「小二朱」という俗称があり、また文政一二年から流通した「文政南鐐一朱銀」を「小二朱」と呼んだ例がある。
※雑俳・柳多留‐八二(1825)「弐朱の子の小弐朱と洒落て一朱出し」

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世界大百科事典(旧版)内の小二朱の言及

【一朱金】より

…文政7年(1824)7月に創鋳されたが,品位は劣悪で,小型で薄く紛失しやすかったので,世評はすこぶる悪く,天保11年(1840)10月には通用停止となり,それ以後一朱金はつくられなかった。一朱金の表面の色揚げがとれ,銀貨のような白みが感じられたので,俗に〈小二朱(こにしゆ)〉と呼ばれ,また〈銀台の似せ小判〉ともいわれた。天文期(1532‐55)に武田氏が甲斐国で創鋳した甲州金のなかにも,一朱金がみられた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」