精選版 日本国語大辞典 「尋・訊・訪」の意味・読み・例文・類語
たずね たづね【尋・訊・訪】
〘名〙 (動詞「たずねる(尋)」の連用形の名詞化)
② 問いただすこと。問うこと。尋問すること。ききただすこと。
※十訓抄(1252)一「心に思はんやうありのままにのたまへと御たづね有けるに」
③ 訪問すること。
※仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下「内内はこなたより人して申さんと思ひしに、御たつねになり候事心より外に思ふなり」
※御触書宝暦集成‐三〇・宝暦九年(1759)二月「三奉行え 評定所え奉行出席無之、留役計にて尋等致し候節」
⑤ 奉行所などが容疑者を捕えようとして捜すこと。また、その容疑者など。江戸時代、逃亡した犯人または嫌疑者、欠落者(かけおちもの)などを親類、町村役人に捜索させたこと。期間を限って捜索させる日限尋(ひぎりたずね)と、期限がなく永く尋ねさせる永尋(ながたずね)の別があった。また、主殺し、親殺し、関所破りおよび公儀へ対する重い謀計にあたる犯人に対し人相書による捜索が行なわれた。たずねかた。
※禁令考‐後集・第四・巻三二・寛保元年(1741)一一月「人相書を以御尋に可成もの之事」
※歌舞伎・恋闇鵜飼燎(1886)五幕「是がたずねの身で無くば」
たず・ねる たづねる【尋・訊・訪】
〘他ナ下一〙 たづ・ぬ 〘他ナ下二〙
① 先に行ったものや所在のはっきりしないものを、何かを手がかりに捜し求める。
※万葉(8C後)二・八五「君が行き日(け)長くなりぬ山多都禰(タヅネ)迎へか行かむ待ちにか待たむ」
※更級日記(1059頃)「このをのこをたづぬるになかりけり」
※万葉(8C後)二〇・四四六八「うつせみは数なき身なり山川のさやけき見つつ道を多豆禰(タヅネ)な」
※源氏(1001‐14頃)夕顔「この扇のたづぬべき故ありて見ゆるを」
③ 問いただす。質問する。
※枕(10C終)三一三「『いかでありつる鶏(とり)ぞ』などたづねさせ給ふに」
④ 訪問する。人のもとをおとずれる。
たず・ぬ たづぬ【尋・訊・訪】
〘他ナ下二〙 ⇒たずねる(尋)
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