尊王攘夷[中国](読み)そんのうじょうい[ちゅうごく](英語表記)Zun-wang Rang-yi; Tsun-wang Jang-i

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尊王攘夷[中国]」の意味・わかりやすい解説

尊王攘夷[中国]
そんのうじょうい[ちゅうごく]
Zun-wang Rang-yi; Tsun-wang Jang-i

春秋時代覇者諸侯会盟を行うときに掲げた標語。本来は周王室を尊重し,夷狄 (いてき) を討伐する意。春秋時代,特に斉の桓公によって唱えられたが,尊王攘夷思想として一時代を画するにいたらなかった。のち異民族系隣国の侵入により漢民族の危機が叫ばれた宋代に,漢民族の王室を尊び (中華思想) ,異民族を排撃するという忠君愛国の思想として再び主張され,さらに朱子によって理論的に高められるにいたった。なお日本でも,朱子学基盤にして幕末志士の間に尊王攘夷が叫ばれた。

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