精選版 日本国語大辞典 「寿」の意味・読み・例文・類語
こと‐ぶき【寿】
〘名〙
① 慶事をことばで祝うこと。また、そのことば。ことほぎ。ほぎごと。祝言。
※枕(10C終)八〇「卯杖(うづゑ)のことぶき」
※実隆公記‐明応七年(1498)八月紙背「老鶴のかことの事先年申候し、めてたきことふきを申て候とこそ存候へ」
② いのち。よわい。また、いのちの長いこと。長命。寿命。
※類従本賀茂女集(10C後)「草の庵に久しきつまを飾りて、戒をば保たずして、ことふきを保てるさまども」
③ めでたいこと。いわい。また、そのいわいの儀式。現代では、そのときに、祝儀袋などに書く文字をもいう。
※太平記(14C後)一七「早く是を天に祭(まつ)て寿(コトブキ)をなすべし」
※読本・雨月物語(1776)蛇性の婬「其志の篤きに愛(めで)て、豊雄をすすめてつひに婚儀(コトブキ)をとりむすぶ」
④ 祝いの品。
※筑紫道記(1480)「宿坊の院主あるじこまやかにして、ことぶきさへとりそへて」
じゅ【寿】
〘名〙
① 年齢。とし。よわい。
※延喜式(927)二一「白兎〈月之精也。其寿千歳〉」 〔史記‐蔡沢伝〕
※本朝文粋(1060頃)一四・村上天皇為母后四十九日御願文〈大江朝綱〉「哀楽如レ夢。未レ就二是界之寿一。禍福相改」
※福翁百話(1897)〈福沢諭吉〉五「顔淵は寿(ジュ)なる可き筈なれども」 〔書経‐洪範〕
③ 祝いの贈りもの。祝い。ことほぎ。祝賀。
こと‐ぶ・く【寿】
〘他カ四〙 (「ことほぐ(寿)」の変化した語)
① 祝いを言う。よろこびを言う。また、祝う。祝福する。ことほぐ。
※筑紫道記(1480)「同行に語れば、皆ことぶきあへり」
② 結婚する。
※浮世草子・武道伝来記(1687)七「御本妻を祝言(コトブ)き給ふ事は、御とどまり遊ばすか、といへば」
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