たい‐めん【対面】
〘名〙
① (━する) 顔と顔をあわせること。面と向かい合うこと。会って話をすること。
対顔。
※
万葉(8C後)五・八九六・左注「良宅対面献三日」
※
源氏(1001‐14頃)
夕顔「猶久しうたいめむせぬ時は心ぼそくおぼゆるを」 〔顔氏家訓‐風操〕
② ある面に向かい合った面。
※
野火(1951)〈
大岡昇平〉一〇「底に一方が開いた
窪地があり、それを越した対面に、同じやうな倒木を持つ
斜面が匍ひ上って、林に囲はれてゐた」
[語誌](1)平安仮名文学作品において、二字漢語としては珍しく女性の使用例がある。
(2)「対面す」は
謙譲の
補助動詞が下接しないところから、「会ふ」の謙譲表現であると考えられる。特に「
源氏物語」では「対面す」と「会ふ」との
対照が顕著で、ほとんどの例はそのように解することができる。
(3)
名詞では、対面にあずからない非貴人や
作者が言及する際には「御」を冠するのが普通である。
トイ‐メン【対面】
〘名〙 (中国語から)
① マージャンで卓を隔てた向かい側の席。また、その席の人。〔現代語大辞典(1932)〕
② (①から) 真向かいの席、場所。また、その席の人。
※安吾巷談(1950)〈坂口安吾〉東京ジャングル探検「札が指と手の一部のやうに〈略〉ヒラヒラ、クルクル、自由自在、目にもとまらぬものである。特に対面(トイメン)には全然わからない」
たい‐め【対面】
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「そこになかずみの君おはしければ、たいめして物がたりし給ふ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「対面」の意味・読み・例文・類語
トイメン【対面】
《〈中国語〉》マージャンで、卓の向かい正面のこと。また、そこにいる競技者。対家。
たい‐め【対▽面】
「たいめん」の撥音の無表記。
「なかずみの君おはしければ、―して」〈宇津保・俊蔭〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
対面
(通称)
たいめん
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 元の外題
- 曾我ノ対面 など
- 初演
- 明和2.12(大坂・姉川座)
対面
〔浄瑠璃〕
たいめん
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 初演
- 文化7.1(江戸・中村座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
普及版 字通
「対面」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報